オーストラリアのシドニーで、インドネシア・ジャカルタ特別州知事が宿泊していた
ホテルの部屋に警察官が合鍵を使って侵入、怒った知事が豪政府に謝罪を要求し、
両国関係が悪化する事態となっている。
スティヨソ同州知事によると、5月29日夕、部屋で休んでいたところ、警察官2人が
ノックもせずに入り、1975年の東ティモール侵攻作戦時に豪州人カメラマンら5人が
死亡した事件に絡んで、出廷を要求された。豪州の地元州知事の招待で訪問していた
スティヨソ知事は予定を切り上げて帰国、30日の記者会見で「こんな侮辱はない」と
怒りをぶちまけた。インドネシアのユドヨノ大統領も不快感を表明、ハッサン外相も
駐インドネシア豪大使を呼んで抗議した。
スティヨソ知事は元国軍幹部で、次期大統領選出馬が取りざたされる大物政治家。
75年当時は東ティモールで軍司令官を務めていた。インドネシア政府は
「5人は銃撃戦の巻き添えで死亡しており、事件は解決済み」との立場だが、
豪州の遺族らは「軍に殺害された」として真相究明を求めている。
地域大国である両国の関係は東ティモール問題などで、たびたび緊張。
昨年3月には、豪州がインドネシア・パプア州の独立派住民42人に
一時保護ビザを発給したため、インドネシアが抗議、駐豪州大使を召還する事態となった。
ソース 読売新聞 2007年6月1日19時44分
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070601i211.htm