【ソフィア/ブルガリア 21日 AFP】
ブルガリアで20日、初の欧州議会(European Parliament)の議員選挙が行われたが、
同国では投票実施中に出口調査を発表することが禁止されている。国内メディアは
選挙速報を伝えるために子守唄や花売り、風速を伝えるニュースなど巧妙な手法を
編み出して法の目をかいくぐっている。
BGNES放送の天気予報は同日、「気温は26度、ただし与党の社会党事務所周辺のみ」
と伝えた。知る人ぞ知る、この天気予報はセルゲイ・スタニシェフ(Sergey Stanishev)首相
率いる社会党が、欧州議会におけるブルガリア代表の定員18席中6席を獲得したことを意味する。
Boiko Borisovソフィア市長らが新結成したGERB党の事務所は1キロと離れていないが、
気温は低く19度、つまりGERBの獲得議席は4議席だということだ。同放送局は午後1時、
風速毎秒12メートルを観測したと放送した。つまり投票率は12%だった。
Focus放送では、調査会社5社からの情報を映画、歌、本、花、おとぎ話になぞらえた。
内相時代に犯罪取締りで手腕を見せたGERB党首のBorisov氏を、ブルガリアのおとぎ話
「勇敢な男」に見立て、社会党を指す「赤ずきん」が「勇敢な男」をやっつけると語った。
または、社会党のシンボルであるバラがGERBを示す派手なガーベラよりも売れ、
トルコ系政党を指すタバコは第3位だったと伝えた。
独立系ラジオ局Darikでは、曲のランキングに模して選挙速報を放送した。それぞれの
候補者に相当する曲に対し、視聴者が電話やネットで「投票」したとして順位を伝えた。
第1党の社会党に振り当てられたのはイギリスのバンドUB40の歌『レッド、レッド・ワイン
(Red, red wine)』。GERB党に当てられたドイツのバンドScooterの『Fire』より
人気があったと伝えられた。
Darikは出口調査をランキングに変えて発表する放送を約6年前に始めたが、投票実施中の
発表を禁じる法には触れるものの罰金は低額で、半ばおとがめなしで通っている。
公式な出口調査の第1回発表は、投票所が閉まる午後7時から1時間後となる。
■ソース
AFPBB News(
http://www.afpbb.com/)[2007年05月21日 19:42]
http://www.afpbb.com/article/1617133