米大統領、「イラク撤収」に拒否権
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【ワシントン=坂元隆】
ブッシュ米大統領は1日夕(日本時間2日朝)、
イラク駐留米軍の戦闘部隊を遅くとも来年3月末までに撤収させる条項を盛り込んだ
約1,240億ドル(約14兆8,500億円)の補正予算案に対して拒否権を行使した。
大統領は「敵に撤収開始期限を教えるのは意味をなさない」と理由を説明し、
2日に議会指導者をホワイトハウスに招き善後策を協議する意向を示した。
議会の主導権を握る民主党からは、撤収期限なしではイラク戦争が
「終わりのない泥沼の内戦」(ハリー・リード上院院内総務)になると強い反発が出ており、
妥協が成立するかどうか予断を許さない。
1日は、ブッシュ大統領がイラクにおける「主要な戦闘の終了」を宣言した演説から
ちょうど4年にあたり、民主党は、出口の見えない戦争の現状を強調するため、
あえてこの日に法案を送付した。
ブッシュ大統領の拒否権行使は2度目で、イラク政策に関しては初めて。
大統領は国民向けに演説し、撤収期限の設定は、
「イラクの国民を意気阻喪させ、中東全域の殺人者を活気づける」と述べ、
あくまでも拒否する意向を明確にした。
そのうえで、大統領は、
「民主党はこの法案で戦争反対の政治的意思表示をしたかったのだろう」と批判し、
「政治は棚上げにして、我々の軍に資金を供給すべきときだ」と
新たな補正予算案の提出を求めた。
これに対し、民主党のナンシー・ペロシ下院議長は、
「議会は大統領の言いなりにならない」と反発した。
送付された補正予算案は拒否権を覆すために必要な
上下両院3分の2以上の支持を集めておらず、廃案となる見通しで、
新補正予算案に同様の撤収期限を盛り込むのは難しい情勢だ。
議会ではすでに撤収期限にかわり、イラクの治安・政治プロセスの進展と
米軍の関与を関連づける案などが検討されている。
ただ、大統領と議会の対立により補正予算を組むのが遅れても、
イラク駐留米軍の戦費は、7月ごろまでは
ほかの国防予算の使途を変更してしのぐことができるため、当面、影響はなさそうだ。
(05/02 12:39)
★ ソースは、読売新聞 [日本] とか。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070502it02.htm ★ 関連スレ。
【米国】米下院、イラク撤退条項を含んだ補正予算案を可決 ブッシュ大統領は拒否権を行使へ[07/04/26]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1177553606/ 【米国】米軍のイラク撤収期限「受け入れぬ」ブッシュ大統領言明[070428]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1177749475/ とか。