仏大統領選 投票終了前ブログ速報 ジャーナリスト「法律、実際的でない」
【パリ21日井手季彦】
22日に第1回の投開票が行われるフランス大統領選について、すべての投票所で投票が終了する
午後8時(日本時間23日午前3時)前に、インターネットのブログ上で開票結果を公表すると
一部のジャーナリストが公言し、議論となっている。
ブログの主は、ラジオ局ヨーロッパ1のキャスターであるモランディニ氏や、同国最大の
無料紙ヴァン・ミニュットの編集者ビランボーム氏ら。
両氏は「隣国のメディアは午後8時前にフランス大統領選の開票結果を流してしまう。
法律は実際的でない」などと主張している。
フランスでは、地域により午後6時に投票が締め切られる投票所があるほか、海外領土の一部では
21日に投票が先行実施されている。このため、他地域の有権者に影響を与えないよう、
午後8時まで開票速報を一般に公開することは法律で禁じられている。
違反者は最大で7万5000ユーロ(約1200万円)の罰金。
ただ、世論調査機関は午後6時半には最初の速報値を得ており、報道関係者らは
この結果を入手できる。また、法律はフランス国内でしか適用されず、
外国では開票結果を報じることができる。
ベルギーやスイスの報道機関は、ホームページなどを含めて午後7時台に速報を発表する予定。
投票終了前の開票速報の動きについて、世論調査会社SOFRESのデルマス社長は
「国境のないネットの世界について法規制がないのが問題」と指摘。
選挙管理委員会は「ネットも監視し、速報を出さないよう勧告する」とコメントするにとどまっている。
=2007/04/22付 西日本新聞朝刊=
2007年04月22日00時21分
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20070422/20070422_003.shtml