欧州連合(EU)は今年前半中に、気温上昇で大きな影響が予想される南欧やアルプスなどの地域での
重点的な温暖化対策に着手する。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書を受け、欧州
委員会のディマス委員(環境担当)が6日表明した。EU域内の温暖化の影響を細かく把握し、被害を
抑えていく考えだ。
IPCCの報告書によると、気温上昇で南欧では水不足や干ばつ、森林火災の増加、アルプスの山岳
地域では氷河の消失などが起こる可能性がある。さらに中欧は洪水や熱波に見舞われる恐れがある
という。欧州委は各地域で予想される影響に個別に対応する必要があると判断。地域別の対策作りに
乗り出す。
ディマス委員は報告書について「気温の上昇を2度以内に抑えるというEUの新目標を支持する内容だ」と
強調。報告書が盛り込んだ影響予測に沿って対応を進める考えを表明した。報告書は平均気温の上昇幅が
2―3度を超えると世界的に損失が拡大すると指摘している。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070407AT2M0603J07042007.html