パレスチナ挙国一致内閣を承認・・・和平合意を尊重
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【ガザ市(パレスチナ自治区)=三井美奈】
パレスチナ自治政府のアッバス議長が率いるファタハとイスラム原理主義組織ハマスの連立による
「挙国一致内閣」が17日、評議会(国会)で承認された。同日夜、発足する。
新内閣は施政方針で、過去の和平合意を「尊重する」と明記し、
対イスラエル強硬路線をとるハマス内閣が昨年春に発足して以降続いていた
国際的孤立からの脱出を目指す。
ハニヤ首相は17日、評議会で信任投票を前に演説し、
「1967年(の第3次中東戦争)以降の(イスラエル)占領地での、独立国家樹立を目指す」と述べ、
新内閣は「イスラエル殲滅(せんめつ)」を掲げる
ハマスの基本方針に縛られない立場を強調した。
新内閣にはハマス系12人、ファタハ系6人が入閣。
治安組織を統括する内務相や外相、財務相らは両派に属さない独立系が選ばれた。
施政方針では、治安の安定を最優先課題に掲げ、
ファタハとハマスの対立の火種となってきた治安組織の見直しを進めると公約。
国際社会との関係強化をうたう一方、
イスラエルに対する抵抗運動を「パレスチナ人の正当な権利」と位置づけ、
イスラエルによる占領終了まで抵抗を続ける方針を明記した。
アッバス議長とハニヤ首相は今月28日、
サウジアラビアで行われるアラブ連盟の首脳会議に出席する予定。
議長は評議会の冒頭、「首脳会議を、苦しみを終わらせる機会としたい。
和平達成に向け、イスラエルにも手をさしのべる」と述べており、
同会議で「アラブ穏健派の一員」として各国の承認を受け、
米欧の援助再開に結びつけた後、和平交渉に望みたい方針だ。
「挙国一致内閣」はサウジアラビアの仲介で実現したが、
イランに対する防波堤として米欧への影響力を持つサウジが後見役となったことが、
新内閣の追い風となっている。
欧州各国はすでに姿勢を変えつつある。新内閣の施政方針は、中東和平プロセスを推進する
米、欧州連合(EU)、ロシア、国連の4者が要求する
<1>イスラエル生存権承認
<2>テロ放棄――などの要求に言及しておらず、EUは態度を保留している。
ただ、フランスは15日、新内閣との外相会談の早期開催を提案。
英BBC放送によると、英国は、ハマス以外の閣僚とは接触する方針だという。
イスラエルのペレス副首相は17日、
イスラエル放送で「テロを放棄しない内閣を助けることはできない」と述べ、
新内閣とは交渉しない方針を再確認した。
米国は内閣発足まで対応を留保しており、
アラブ首脳会議と前後してアッバス議長、イスラエルのオルメルト首相との3者会談に臨む
ライス米国務長官の対応が注目される。
★ ソースは、読売新聞 [日本] とか。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070317it16.htm