ウソ発見器で新規採用者決める!?ロシアで合法化
ロシアで、国家公務員など新規採用者の面接でウソ発見器(ポリグラフ)の使用を
合法化しようという動きが出ている。
とにかく国家による統制が好きなお国柄。この秘密兵器の導入で人事管理を強化しようという
考えだが、果たして汚職まみれの公務員たちのモラルが高まるのか。
ウソ発見器合法化の議論を進めるモスクワ市議会のシャポシニコフ議員によると、
モスクワ市議会は、ウソ発見器の合法化が、社会にプラスとなるだろうとの結論に達し、
旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関、連邦保安局(FSB)の専門家と共同で
新法案の作成に入ったという。
FSB付属アカデミー犯罪学部のホロドヌイ教授は、ロシアでは採用時にウソ発見器を使用した
面接が年間約4万5000件と、すでに広く行われていると言明。「本人の承諾を得ており、
憲法には違反しない」「外国でも使われている」とその正当性を強調した。
しかし、米国の裁判所などではすでに、ポリグラフの結果は信頼性が乏しいとして
犯罪捜査の証拠には不採用とすると決めている。
人事の採用候補者と犯罪の容疑者を同格に扱うのはいかがなものかと、
道義的に疑問視する向きもある。
ロシアの公務員や官僚たちには、「公僕」という考え方は根付いていない。
公務員の人事は、汚職の温床の1つであり、お金のなる木なのだ。
それでも、その人事が、ウソ発見器の導入で多少なりとも公正化され、改善されるなら
歓迎すべきだが、その前に、二枚舌、三枚舌の政治家たちにウソ発見器の使用を義務づけたら
どうだろう。
(モスクワ 内藤泰朗)
(産経iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/43110/