ジュネーブ(6日)発:
UNHCRは6日、国際社会に対して、UNHCRが2007年に実施する南部スーダンの難民、
国内避難民数万人の帰還と故郷への再定着事業のために、5610万米ドルの支援を要請した。
この資金は、近隣諸国へ避難している10万人を超える難民の自主帰還事業促進の支援、国内避難民2万5000人への支援、
帰還民への再定着パッケージの提供、診療所や学校の再建、避難所と公衆衛生状態の改善のために必要とされている。
今回の支援には、帰還民たちがかなり困難な状態にあり、彼らの持続可能な帰還を確実にするには、大変な努力が必要だとの背景がある。
「過去2年間で注目に値する成果があったものの、多くの受入社会は帰還民を受け入れることに非常に苦労している。
主な理由としては、帰還地域が戦争の影響で破壊され、社会基盤や基本的サービスが整っていないことが挙げられる」と支援要請に記されている。
支援要請はまた、国内避難民や長期間にわたって故郷を追われていた帰還民の再定着を支援するためには、
関係当局や国際社会の継続的な努力も欠かせないと指摘する。
2005年1月、スーダン政府とスーダン人民解放運動(SPLM)の間に成立した和平合意後、
UNHCRの帰還事業で支援された3万2400人を含む約10万2000人が故郷へ帰還した。
国内避難民約85万人も、主に自力でスーダン南部に帰還した。2007年にはさらに多くの人々が帰還すると見込まれている。
「地雷、人権侵害、社会基盤のほぼ完全な破壊といった問題があるが、
安全で人間の尊厳を尊重した帰還と再定着の強化、経済、社会、民間、政治的生活の再建が、
UNHCRだけでなくすべてのパートナーにとって主要な課題である」と支援要請は述べている。
UNHCRは、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、エチオピア、エジプト、ケニヤ、ウガンダからの
難民10万2000人の自主帰還と再定着のための2007年の事業に必要な資金を要請している。
さらに、ブルーナイル地域からスーダン南部にかけての地域に避難している1万5000人と
セントラル・エクアトリアからジョングレイにかけての地域に避難している1万人を含む合計2万5000人の帰還を支援していく。
パートナーや人道支援帰還、スーダン政府との緊密に協調し、
UNHCRはハルツームとカッサラ州周辺の国内避難民約180万人の人権が守られているか監視する予定である。
また、難民と国内避難民が帰還に向けての判断材料となる出身地域の正確な情報を提供するための支援を実施する。
難民や国内避難民が故郷に帰る際には、治安、水、衛生、教育など帰還地域の状況が決定的な判断要素となる。
2007年の国連の共同事業では、UNHCRは難民が多く帰還する場所に坑井65本の再建と建設、診療所60か所、学校30校を修理する予定である。
2006年、UNHCRはスーダン南部への事業に6300万米ドルを超える支援を受けた。
2005年の和平合意成立の際には、ダルフール紛争で故郷を追われた200万人を含む
スーダン国内には約670万人が避難し、約55万人が近隣諸国で難民となった。
(ソース)
http://www.unhcr.or.jp/news/2007/070309.html http://www.unhcr.org/news/NEWS/45ed79544.html (画像)南スーダン、イェイの子どもたち。UNHCRはスーダンの難民と避難民の帰還と再定着のための支援を国際社会に要請している。
http://www.unhcr.or.jp/news/2007/image/070306.jpg 関連情報
地図
http://www.lib.utexas.edu/maps/africa/sudan_pol00.jpg 外務省-スーダン-基礎データ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/sudan/data.html 日本のODAプロジェクト-スーダン
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/anken/gaiyou/odaproject/africa/sudan/index_01.html