サンパウロ(AP) ブッシュ米大統領は8日から、中南米5カ国を歴訪する。
ブラジル南東部の都市サンパウロでは同日、ブッシュ大統領の到着を数時間後
に控え、学生や環境保護活動家ら6000人以上がデモを展開、機動隊と衝突
した。
ブッシュ大統領は今回の歴訪で、石油に代わる燃料として注目されるエタノー
ルの供給促進に向けた協力態勢作りを目指す構え。ブラジルはエタノールの原
料となるサトウキビの生産が盛んなことから、主要供給国となることが期待さ
れる。これに対し、環境保護団体などは、サトウキビ栽培の拡大による自然破
壊などを懸念し、反発の声を上げている。
サンパウロ市内のビジネス街では同日、6000人規模のデモ隊が反ブッシュ
のスローガンを掲げ、約3キロを行進。機動隊は催涙ガスで沈静化を図った。
一部のデモ参加者は警官から暴行を受けたと話したが、負傷者は報告されてい
ない。
同国南部の港湾都市ポルトアレグレでも同日、500人以上のデモ隊が米金融
大手シティグループの支店に押し入り、ブッシュ大統領の肖像を焼く騒ぎがあ
った。
また、ブッシュ大統領11日に訪問を予定しているコロンビアでも、ボゴタ市
内の大学で覆面の学生200人が機動隊と衝突。機動隊の催涙ガスに、投石や
手製爆弾で応じたが、負傷者や逮捕者は出なかった模様だ。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200703090002.html