全グラミン銀行員に「ユヌス氏選挙支援禁止」の通達
【ニューデリー=永田和男】
バングラデシュの貧困層向け融資機関「グラミン銀行」のバルア副総裁が、
全行員向けに通達を出し、新党「市民の力」を結成し、政界入りを表明した
ムハマド・ユヌス同行総裁に対する支援活動を禁止していたことが5日分かった。
通達は2月28日付で、「政界入りはユヌス氏の個人的決断で、
新党とグラミン銀行は一切関係ない」と強調。
ノーベル平和賞を踏み台に政界入りしたユヌス氏に対し、貧困層を中心に噴出する
「政治的野心のために利用された」との不満を反映したものとなった。
ユヌス氏は、選挙管理内閣や軍との“密接な関係”もとりざたされ、与野党の激しい
糾弾を浴びている。
グラミン銀行職員は1月現在2万1363人。全国に2343の支店を持つ同行の支援を
頼めなくなったことで、今後ユヌス氏が新党の態勢作りをどう進めるかが注目される。
(2007年3月5日20時8分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070305i313.htm