例年を上回る松食い虫(mountain pine beetle)の害により、コロラド州など西部に
広がるマツ科ロッジポールパインの森林が大きな被害を受けている。
クリスチャン・サイエンス・モニターによると、コロラドだけでも数百万本に上る
ロッジポールパインが枯れ、美しかった緑の景観が急速に悪化。山林観光に依存
する地元経済も危機感を強めている。
立ち枯れた木の倒壊による人命・財産被害や、山火事の発生も懸念されている。
松食い虫の害は以前からあるが、今年特に害が目立っているのは、
1)暖冬による松食い虫の増殖、
2)水不足による樹木の抵抗力低下、
3)大量の樹木が同時に高齢化したこと、
という複数の要因が重なったためだと専門家は指摘する。
松食い虫は通常、樹齢80年、100年以上、太さ直径6インチを超える木にだけ寄生する。
森林の世代交代を促進する意味では利益ももたらすが、西部の森林は、1800年代後半に
採鉱で大量に切り出されたために同じ樹齢の木がほとんどで、しかも松食い虫に食われ
やすい樹齢になっている。
その結果、松食い虫の害がかつてない規模に拡大したとみられる。
コロラド州森林局が2月初めにまとめた報告書によると、2006年は州全体の森林の40%
以上に相当する約66万エーカーのロッジポールパイン林に松食い虫が寄生し、
1エーカー当たりで前年の4倍以上の木が枯れたという。
被害がここまで大規模になると、即効の手立てはない。しかし地元の自治体や森林、
土地、公園それぞれの管理当局は、被害を最小限に食い止める努力を続けている。
山火事の原因となる枯れ木を取り除き、これらの枯れ木を利用できるバイオマス
(有機物再生利用)業界を育成。
長期計画として、さまざまな種類、樹齢の木で構成される森林作りに取り組んでいる。
ニュースソース
http://www.usfl.com/Daily/News/07/03/0301_017.asp?id=52640