50年以上も昔に起きたひき逃げ事故が今になってようやく解決されることになった。
事件は未解決になっていたが、事故を起こした当事者は、長年良心の呵責にさいなまれて
いた。犯人は当時24歳だった。
あまりにも遅すぎた告白だが、犠牲者の関係者は、半世紀ぶりの事件解決に、ただ驚いて
いる。
米メディアによると、54年前の1953年10月24日夜、バージニア州キャロル郡
ヒリズビルの南方の52号線で、当時76歳のジョージ・ダルトンさんがひき殺された。
事件は未解決になったが、バーリン・ブレイディ被告(77)だけが自分が犯人である
ことを知っていた。
ブレイディ被告は半世紀以上事実を隠してきたが、2006年夏に心臓のバイパス手術
を受ける段階になって、真実を告白する気持ちになった。捜査官に連絡を取り、自分が
犯人であることを告げた。
同被告はあの日、車を運転して現場付近を通りかかった際、対向車のヘッドライトに
目がくらんだ。その直後衝撃を感じたが、そのまま立ち去った。
その後地元紙が報じる記事の中で、「殺人」という文字が使われているのを見て、怖く
なったという。
事故に遭ったダルトンさんは当日夜、車を取りに行くため道路を渡ろうとしていた。
妻と教会に行くためだった。ダルトンさんは再婚だったが、最初の妻は1949年
11月に車にはねられ死亡している。
共に現場は52号線上でダルトンさんの自宅から近いところだったという。
自供を受けて同被告は大陪審からひき逃げなどの罪で起訴されたが、その事実は最近まで
公にされなかった。2月22日の法廷で、被告は検察側との司法取引で有罪を認めた。
この結果、刑務所には入らずに、2年間の保護観察処分を受ける見通しになった。
また半年間は医師に会いに行く以外は車の運転が禁じられるという。
犠牲者のダルトンさんには6人の子どもと、15人の孫があった。ダルトンさんの遺族
は真犯人出現に驚いている。しかし、長い歳月が経っていることもあり、被告も十分に
苦しんだと許す心境にあるという。
事件当時18歳で現在72歳の孫ドナルド・シモンズさんは「びっくりしている。
まったく予想していなかった」と話す。
その後、シモンズさんは意外な事実を打ち明けた。
キャロル郡では、事件の後、ある人物が犯人だろうとの見方が広まった。犯人だと指摘
された人は、懸命に否定したが、多くの人が彼が犯人だと確信するようになったという。
その人物は犯人だと思われながら15年前に死亡したという。
シモンズさんは、その意味でも、二重のショックだと話している。
もう一人の孫のチャールズ・ダルトンさん(72)も、「(犯人にとっては)心が晴れる
ものになるだろう。われわれもほっとした感じだ。しかし、別の人間が非難されたのは
まことに残念だ」と語っていた。
ニュースソース
http://news.livedoor.com/article/detail/3044761/