加州シリコンバレーで最も裕福な人々が住むアサートン地区でこのほど、警察が
「ワイン大泥棒」の捜査を開始した。
高級品ばかりが狙われ、被害総額は10万ドルを下らないという。
ニューヨーク・タイムズによると、昨年末から今年にかけてのある晩、電動式ゲート
と手入れの行き届いた垣根が囲むアサートンのある住宅に忍び込んだ賊は、
高級腕時計やノート型パソコンなどは無視し、合計450本のワインを盗み出した。
中には1本1万1000ドルするボルドー産シャトー・ぺトラス(1959年)の大びん
(1.5リットル)も含まれている。
アサートンは、証券会社創業者のチャールズ・シュワブ氏や、ソフトウェアの
インテュイット創業者トム・プロルックス氏など、ベンチャー投資家や各界の
大物が邸宅を構える高級住宅地。
ホーム・シアターやフィットネス・ルーム、個人オフィスと同様、どの家にも当たり前
のようにワイン・セラー(貯蔵庫)があるという。
地元警察のジョセフ・C・ウェイド刑事によると、上記の住宅に賊が押し入ったのは、
家主が休暇に出かけた昨年12月28日から今年1月4日にかけての夜間と思われる。
ボルドーの高級品を中心に華氏55度で保存されていた地下室は、ドアがこじ開けられ
たりした形跡がないことから、内部犯行の可能性もある。
犯人はワインの目利きとみられ、安物は残した。
盗まれたワインの価値は平均で1本3000ドル程度。
シャトー・ぺトラスのほか、シャトー・ベイシェビル(1959年、大びん)、加州ナパ産
の希少ワイン、ジョーンズ・ファミリー・カベルネ(2002年、同)が含まれていた。
「アサートンの住宅は非常に大きく、誰にも気づかれない可能性は高い。ワインを保護
が必要な資産と考える人が少ないが、対策をとるべきだ」と、ワイン収集家向け
コンサルティング会社のステファン・J・バックマン氏は言う。
2005年、国内外の競売会で取引されたワインの落札総額は1億6600万ドル。
記録的な高値取引が相次いだ昨年は2億4000万ドルに上り、サザビーズではシャトー・
ムートン・ロートシルト(1982年)50ケース(600本)が105万ドルで落札されている。
ニュースソース
http://www.usfl.com/Daily/News/07/02/0212_015.asp?id=52448