「NBAの現役選手が同性愛者であるという事実を公表すれば、他者の模範として
成功し、富を得るだろう」と、テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)に本拠
を置くプロバスケットボール・チーム、 ダラス・マーベリックス(Dallas
Mavericks)のオーナー、マーク・キューバン(Mark Cuban)氏が語った。
キューバン氏は12日付の地元紙フォートワース・スター・テレグラム(Fort
Worth Star-Telegram)で、前週、元NBAプレーヤーが自身がゲイであること
を告白したことに触れた。
NBAを引退し、現在イングランドのチームでプレーするジョン・アメーチ
(John Amaechi)選手が前週、著作の出版に合わせてカミングアウトしたので
ある。
■「変化を生む」とキューバン氏
キューバン氏は、「現役期間中に公表することは難しいことだと思うが、変化
を生む可能性がある」と述べた。
「(NBA)プレーヤーであり同時にもしも同性愛者で、巨万の富を築きたいと
思ったら、同性愛者であることをカミングアウトすべきだと思う。
マーケティングや広告出演料の観点からも、カミングアウトはベストだと思う。
スポーツ選手であること以上に、アメリカ人全員にとっての大ヒーローに
なれる。ヒーローとして富も得る」
同性愛を告白するプレーヤーを激励する一方でキューバン氏は、同性愛に対する
偏見を非難し、「誰かのことを同性愛者だからといって非難するのは愚かな
行為。そうした非難をする人間こそが疎外され、抗議され、広告出演のお呼び
もかからなくなるだろう」と語った。
■困難に立ち向かうのが「ヒーロー」
未開拓のことに挑戦し、待ち受ける困難に立ち向かった人物の例としてキューバン氏
が挙げたのは、1947年にデビューした黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・
ロビンソン(Jackie Robinson)だ。
「つらさに耐えられる強い意志を持った人間でなければできない。(ゲイで
あるアメーチ選手と)ジャッキー・ロビンソンを単に比べようとは思わないが、
他の模範として類似点は多くある。自分が自分であるためには、困難な状況に
も立ち向かう。これができる人物こそが、文句なしのアメリカン・ヒーローだ。
開拓者の意志を継ぐアメリカン・スピリットだ」(キューバン氏)
■「感染防止ルール」も厳しく批判
キューバン氏はまた、エイズ(HIV/AIDS)に対し偏見的なNBAルールについての
改善も求めた。NBAでは試合中、選手が血を流している時や、ユニフォームに
血がついたままでのプレーを禁じる規則があり、選手は傷口を止血しユニフォーム
を着替えるまで試合に合流できない。NFLやNHLにはない「感染防止ルール」と
呼ばれる規則だ。
「NFLやNHLには感染防止ルールなんてない。みんな血を流しながらプレーを
続けている。なぜ、こうしたルールがNBAにはあるんだ? 少しくらいユニフォーム
に血がついたままでも、一生懸命プレーしていたほうが、ファンは“クール”
だと思うだろう」
NBAが「感染防止ルール」を採用したのは1991年。当時、ロサンゼルス・レイカーズ
(Los Angeles Lakers)に在籍中していたマジック・ジョンソン(Magic Johnson)
がHIV検査で陽性結果が出たことを公表、引退した後だ。
キューバン氏はこのルールを「同性愛嫌悪的」だと批判した。
ニュースソース
http://www.afpbb.com/article/1335394