米インターネット大手ヤフー(Yahoo)は、前年12月、一般の人が(事件に遭遇した際に)撮った写真を投稿できる
ウェブサイト、「ユー・ウィットネス(YouWitnessNews)」を立ち上げた。
寄せられた写真は、専門の編集者が確認してから掲載される。また、既存のニュース配信サービスと提携し、収集した写真や有益なコンテンツを提供する。
ユー・ウィットネスの発想は、2005年7月にロンドンで発生した列車同時爆破テロがきっかけで生まれた。
居合わせた一般市民が撮影した写真が、事件発生から30分もたたないうちにフリッカー(Flickr)などの写真共有サイトに
掲載されているのをヤフー・ニュース(Yahoo News)の編集者が発見したのだ。数日後には、数千もの写真がインターネット上にあふれていた。
ヤフー・ニュースのScott Moore氏は、AFPの取材に対し、「市民ジャーナリズムが誕生しつつあると思う」と述べた。
「技術の発達が機会をもたらしたと言えます。カメラ付き携帯電話を持ちインターネットにアクセスできる人々は、世界中に何百万人といる。特派員の大群を放っているようなものです」
約2年前に創設された市民ニュースサイト、「NowPublic.com」は、世界140か国以上に6万人以上の「寄稿記者」を抱え、3か月で規模が倍になるほどの急成長ぶりを誇る。
何か事件が発生した時には、直ちに目撃者や情報提供者を探し出すことを約束し、自然災害からテロまで幅広くカバーする。
同サイトを運営するLeonard Brody社長は、「われわれは今や世界最大の参加型ニュースネットワークに成長しました」と語る。
「完全な素人から、プロの記者まで、さまざまな人がNowPublicに貢献しています。
これからのニュースは、一般大衆を情報源としたものになります。われわれはそのための戦力を育成しているのです」
今後はさらに一歩踏み込んだ提携事業を行い、現場の近くにいて事件を目撃した可能性の高い人物や市民記者を、既存ニュース配信サービスの記者に紹介するという。
「たとえば(ハンガリーの)ブダペスト(Budapest)で爆弾が爆発したとして、現場から1マイル(1.6キロ)以内にいる誰かと接触したいと記者が考えたとします。
われわれがその誰かを見つけて差し上げますよ」(Brody社長)
カメラ付き携帯電話と動画対応デジタルカメラの普及により、今や世界中のインターネット利用者が、市民記者に転職しつつある。
写真は7日、ロンドンでボリウッド(Bollywood)女優シルパ・シェティ(Shilpa Shetty)の記者会見の様子を携帯電話で撮影するファン。
(c)AFP/Chris Young【サンフランシスコ/米国 12日 AFP】
http://www.afpbb.com/article/1331520