【ワシントン=五十嵐文】ブッシュ米大統領は6日、アフリカ大陸を管轄する新たな米軍司令部の創設を承認した、と発表した。
国際テロ組織アル・カーイダのアフリカでの活動を阻止するため、アフリカ地域への軍事的な関与を強める狙いがある。
大統領声明によると、2008年9月末までに「アフリカ軍司令部」を創設し、
イラクなど中東を担当する中央軍司令部と、欧州軍司令部が分割して管轄しているアフリカ大陸全体を担当する。
創設されれば、米軍で6つ目の地域司令部となる。
米軍は、東アフリカ・ソマリアなど内戦状態が続く国に国際テロリストが流入し、「テロの温床」となることを警戒している。
新司令部を拠点に、アフリカでのテロリスト掃討作戦や、アフリカ諸国に対する人道支援などを展開する。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070207i102.htm 米軍、地域担当として「アフリカ軍」を新設
ゲーツ米国防長官は6日、米軍で世界を担当地域ごとに統括する統合軍の区割りとして、
新たに「アフリカ軍」を創設する方針を発表した。米軍が地域ごとの統合軍を新設するのは、
02年10月に設置された米本土防衛などを担う「北方軍」以来。地域統合軍は五つから六つへと再編される。
上院軍事委員会の公聴会で明らかにした。
アフリカ大陸の大半はこれまで欧州軍の担当地域だった。
ただし、エジプトやスーダン、「アフリカの角」と呼ばれる大陸東岸一帯は中央軍が、
マダガスカルやアフリカ沖のインド洋地域は太平洋軍がそれぞれ担当し、アフリカ担当が分断される形となっていた。
ゲーツ長官は、これまでの区割りは「冷戦を引きずる時代遅れの取り決めだ」と指摘し、
アフリカ大陸全体を見渡すことで「より効果的で統合された取り組みが可能になる」と述べた。
再編の最大の狙いは、対テロ戦争の飛び火を防ぐことにあるとみられる。ただ、AP通信によると、
複数の政府高官は、中国がアフリカで影響力を強めていることもこの地域の戦略的な重要性を高めていると指摘している。
分担範囲の詳細や司令部をどこに置くかは決まっていないが、08年9月までに新司令部を発足させる方向だという。
今回の新設で、米軍の統合軍区分けは、
(1)北方軍(カナダ、米本土とメキシコ)
(2)南方軍(中南米)
(3)太平洋軍
(4)欧州軍
(5)中央軍(中東)
(6)アフリカ軍、となる。
http://www.asahi.com/international/update/0207/009.html
ナイジェリアが候補地=米アフリカ軍司令部
【ワシントン9日時事】米国防総省のフェーラン副次官補(アフリカ担当)は9日、記者会見し、
米軍が来年9月末までに新設するアフリカ軍の司令部の有力候補地としてナイジェリアを挙げ、
同国の政府や軍当局と協議を進めたいと表明した。
ナイジェリアは石油資源の豊富な軍事大国で、正規兵力は約8万人。
これまでリベリアやシエラレオネなど西アフリカ地域の和平問題で積極的役割を果たしており、
フェーラン副次官補は「司令部設置が幅広い安全保障能力を構築する上でいかに有益かを話していきたい」と語った。
また、エジプトについては、従来通り中央軍の管轄下に置く方針を明らかにした。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007021000098