アフリカ連合(AU)の首脳会議が29日、エチオピアの首都アディスアベバで
始まった。会議に出席した国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、
西部ダルフールで紛争の続くスーダンのバシル大統領と約1時間半に
わたり会談。
終了後、記者団に対し「国連とAUの合同部隊受け入れに向けたプロセスを加速させる
ことで合意した」と手応えを見せたが、派遣の時期や部隊の構成など詳細については
「協議中」と述べるにとどまった。
ダルフール問題をめぐっては、2万人規模の平和維持活動(PKO)要員を早急に派遣
すべきだと主張する国連と、国連部隊の受け入れに反発するスーダン政府との間で
調整が難航。
昨年11月にAUとの合同部隊でいったん合意したが、話し合いは進んでいない。
潘氏は「バシル氏と建設的な話し合いができた。今後もAUを含めた3者で協議を続けて
いく」と話し、大統領の招きでスーダン訪問を検討していると説明。
合同部隊派遣に向けた段階的な計画の詳細について書簡を送ったことも明かし、「良い返事
を期待している」と語った。
一方、「会談で突破口が開けたか」との質問に対しては「分からない」とも話し、スーダン
の今後の対応に不安をにじませた。
スーダンは昨年の首脳会議で07年に先送りされていた議長国就任を事実上辞退し、代わり
にガーナが選ばれた。
スーダンの就任をめぐっては、ダルフールでの虐殺や人権抑圧などが問題となる中での就任
はふさわしくない、とする声がAU内外で強まっていた。
会議は30日までの日程で、AUに加盟する53カ国・地域の国家元首らが参加した。
ニュースソース
http://www.asahi.com/international/update/0129/010.html