ブッシュ米大統領は26日、イラク新政策で表明した2万人以上の兵力増派について
「私が決定権者だ」と述べ、連邦上院で審議が進む増派反対決議案を一蹴(いっしゅう)
する対決姿勢を示した。
これに先立ち、大統領はホワイトハウスにゲーツ国防長官、イラク駐留多国籍軍の
ペトレイアス次期司令官を呼び、兵員や装備の迅速な輸送など増派準備を急ぐよう
命じた。
イラクへの兵力増派に対する反対決議案は上院外交委員会の通過を受けて週明けにも
本会議での討議に移る。
下院でも26日、ペロシ議長が増派阻止に向けたイラク政府首脳の説得のためバグダッド
に乗り込むなど、大統領の姿勢表明で議会を主導する民主党が態度を一段と硬化させる
ことは避けられない見通しだ。
ブッシュ大統領はゲーツ長官らとの面談後、記者団に対して「議会でも(イラク政策での)
失敗は米国に危機を招くことを大半が認識している。私こそが決定権者であり、危機を
防ぐため前に進む道を見いだす必要がある」と発言。
決議案審議の結果に関係なく、兵力増派を柱としたイラク新政策を実行する姿勢を強調した。
国防総省での記者会見で、ゲーツ長官は「部隊を展開させる手順が加速できないかを検討中
だ」として数カ月を見込んでいた増派準備を短縮する方針を表明。
上院決議案など兵力増派に反対する民主党の動きについては「現場指揮官の求めを差し止める
ことは利敵行為だ」と非難した。
ニュースソース
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070127/usa070127005.htm