ロシアのプーチン大統領は25、26の両日にインドを公式訪問し、同国のシン首相らと会談する。
この訪問でプーチン大統領は原子炉建設支援や戦闘機供与などについて
インド政府と合意する見通しだ。ロシアは核技術・軍事協力拡大をてこにして、
米国との関係改善が進むインドにロシアとの連携強化を働きかける。
プーチン大統領はインドのPTI通信との会見で、
「我々は平和利用の原子力エネルギー施設の建設でインドを直接支援するつもりだ」と語り、
核技術協力に強い意欲を示した。
ロシア政府はインド南部クダンクラムで原子炉4基の建設参加を要望している。
契約総額は数十億ドルになる見込みだ。
核燃料供給・再処理技術などでもインド側と合意文書の締結を目指している。
昨年3月にブッシュ米大統領がインドを訪問した際に、
米国はインドの核兵器保有を事実上容認する形で原子力分野協力で合意した。
米印関係の急速な改善は、旧ソ連時代から友好関係にあったロシア一辺倒のインド外交を
軌道修正するものだ。一方、米国の一極支配に反発するロシアは
中国、インドとの関係強化で対抗しようとしている。
既にインド入りしたイワノフ露国防相は24日、
インドとの軍事技術協力政府間協議第6回会合に参加。
ロイター通信によると、同国防相は先に
「126機の戦闘機を購入する予定のインドの入札にロシアは積極参加する」と述べ、
ミグ35戦闘機を売り込むつもりだ。
ブッシュ政権がインドにF16、F18スーパーホーネット機を提示したことを意識した発言とみられる。
プーチン大統領は今回の訪印を「戦略的関係の強化が目的」と位置づけており、
改めて両国の関係緊密化を印象付ける。
ニュースソース
毎日新聞 2007年1月24日 18時52分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20070125k0000m030042000c.html