ハワード・ハント氏死去 ウォーターゲート実行犯のひとり
【ワシントン=渡辺浩生】米国政治最大のスキャンダルで、1974年の
ニクソン大統領辞任の引き金となったウォーターゲート事件の実行犯のひとり、
ハワード・ハント氏が23日、肺炎のため自宅のあるマイアミで死去した。
88歳。息子のオースティン氏が米メディアに明らかにした。
謎に包まれた一生
事件は72年6月17日、ワシントンのウォーターゲート・ビルにあった
民主党本部に5人の男が侵入、逮捕されたのが発端。ハント氏のホワイトハウス内の
連絡先電話番号が見つかったことで、大統領に結びつく一大疑惑に発展した。
当時、ハント氏はニクソン大統領再選委員会の元職員で、ホワイトハウス内で
情報漏洩元の調査など秘密工作を担当。事件の実行犯も組織した。73年、共謀罪で
有罪判決を受けて33カ月服役。しかし、後にAP通信に「ウォーターゲート侵入は
私のアイデアではない」と語っている。
第二次大戦中の海軍将校、戦後はCIA(米中央情報局)に長年勤務し、61年の
キューバ上陸作戦「ピッグス湾事件」で亡命キューバ人を率いて参加した。80冊を
超すスパイ小説の著者でもあり、63年のケネディ大統領暗殺への関与も疑われる
など、人生は謎に包まれていた。
妻は82年に航空機事故で死亡。97年に破産宣告。再婚した妻、ロウラさんと
マイアミで晩年を送った。
SankeiWEB(2007/01/24 10:39)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070124/usa070124003.htm