ワイン産業は米国内で著しい成長を遂げる数少ない産業の1つだ。
ワインメーカーの数は5年前と比べ7割も増え、いまや全米で4929社に上ることが、
ワイン産業コンサルタント「MKF」の調査で明らかとなった。
カリフォルニア州選出のマイク・トンプソン(Mike Thompson、民主党)議員は、
「ワイン産業は全米で著しい成長を遂げており、米国経済の中でも重要な役割を
担っている」と語る。
なかでも圧倒的な生産量を誇るのがカリフォルニア州で、これにニューヨーク州や
ワシントン州が続くかたちだ。
MKFに調査を依頼した下院の委員会「Congressional Wine Caucus」によると、ワイン
用のブドウ畑は全州に分布しているが、その多くがカリフォルニア州、ニューヨーク州、
フロリダ州、オレゴン州、ミズーリ州に集中している。
MKFの調査結果によると、2005年のワインの総売上高は238億ドル(約2兆8850億円)に
上る。全米ワインメーカーの総収入額が114億ドル(約1兆3820億円)で、
うち7億700万ドル(約857億円)が輸出によるもの。
また、外食産業が98億ドル(約1兆1880億円)、小売店が26億ドル(約3150億円)を売り
上げている。なお、1本(750ミリリットル)5ドル(約600円)以上するワインの需要が
伸びているのは、米国とカナダだけだという。
米国では2002年から2005年の間に、ワインの需要は容量で13.7%、金額では15%成長
している。
ただし輸入ワインに比べ、国産の市場は1998年に81.6%であったものが、2005年には
73%まで下落している。米市場への最大輸出国はイタリアで、オーストラリア、
フランスと続く。
ワインおよびブドウ産業全体の経済規模は1620億ドル(約19兆6380億円)に上り、
2005年は2700万人もの観光客が、著名なカリフォルニア州・ナパバレー
(Napa Valley)をはじめとする全米のワイナリーを訪れている。
また、ワイン業界の雇用者数は2001年の25363人から2005年は33560人に増加している。
一方、熟練の人材不足も問題となっているほか、移民規制の強化による中米からの労働者
の減少もワイン産業にとっては大きな懸念材料である。。
ニュースソース
http://www.afpbb.com/article/1258849