セルビア総選挙の投票が21日、行われた。
欧州連合(EU)への早期加盟を目指す民主派と南部コソボ自治州の独立に反対する
民族主義派との対決が焦点となる。
今のところ過半数を獲得できる勢力が存在せず、選挙後に小党との連立協議が本格化
すると予測されている。自治州独立に関する来月の国連報告書の内容次第では、
連立協議に影響を与え、地域情勢が流動化する可能性もある。
結果の大勢判明は22日未明となる見通しだ。
今回の総選挙は、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷に起訴されていたミロシェビッチ
元大統領が昨年3月に死亡して以来、また、セルビアと国家連合を組んでいた
モンテネグロが同6月に独立して以降、初の選挙となる。
事前の世論調査によれば、自治州の独立反対を訴える野党第1党のセルビア急進党と、
EU加盟を目指す穏健派与党の民主党の支持率が約30%と拮抗(きっこう)
している。過半数を獲得できる勢力がない中、注目されるのは、両党との
協力関係を明確にしていない保守与党セルビア民主党(17%)だ。
コソボ紛争が終了した1999年以降、国連暫定統治下にある自治州について、
アハティサーリ事務総長特使は2月2日にも独立に関する報告書を出すが、
報告書が独立を勧告するなどセルビア社会を刺激する内容となれば、
保守系のセルビア民主党が急進党と連立を組む可能性も否めない。
ただセルビアは昨年、約6%の経済成長を記録し、外国投資も7年前に比べ10倍も
増えた。コシュトニツァ首相が所属するセルビア民主党が大きく右傾化すれば
外国投資が逃げ、EU早期加盟の目標も遠のくため、「セルビア民主党は
民主党や他の民主派勢力と同じ枠組みで政権を作る」(外交筋)
との見方も強い。
だが、EU加盟実現は容易ではない。EUは昨春、セルビアに対し、ボスニア・
ヘルツェゴビナ紛争時の虐殺で起訴されたボスニアのセルビア人軍事指導者、
ムラジッチ被告の引き渡しに消極的だとして、加盟交渉打ち切りを宣言した。
紛争時の英雄、ムラジッチ被告の引き渡しについては国内世論などもあってどの党も
腰が引けており、EU説得は今、困難な状況にある。
ニュースソース:
http://www.sankei.co.jp/kokusai/europe/070121/erp070121001.htm 関連スレ
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