ソマリアの首都モガディシオを制圧した暫定政府が、国内武装勢力の武装解除で壁に直面している。
暫定政府のゲディ首相は5日、6日から強制的な武装解除を始めると表明したが、6日朝に
なって「延期」を宣言。
反発した武装勢力と戦闘になる可能性があるためで、実施のめどは立っていない。
無政府状態が16年間続く同国では武器所有は当然視されており、治安確立の
難しさが浮き彫りになった。
ソマリアは91年のバーレ政権崩壊で大量の武器が市中に流出。
首都には全土に影響力を持つ六つの武装勢力がある。
暫定政府は1日に国土のほぼ南半分を制圧した後、自発的な武器の放棄を呼び掛けてきたが、
大半の国民は応じていない。
暫定政府を支援するエチオピアのメレス首相は5日、中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」で、
「(エチオピア軍のソマリア駐留は)最大で2週間くらい」と早期撤退の考えを示した。
暫定政府の狙いはエチオピア軍が駐留する間に武装解除を進めること。
ゲディ首相は解除に応じた民兵を新設する国軍に統合する考えを示したが、反発の強さに最初
からつまずいた格好だ。
ケニアの首都ナイロビでは5日、周辺国や欧米諸国がソマリア安定化へ向けた会合を開き、暫定
政府のユスフ大統領はアフリカ連合(AU)平和維持部隊の早期派遣を要請した。
米国はAUへの財政支援を表明し、ウガンダが平和維持部隊への派遣を約束した。
ただ、ソマリア南部のケニアとの国境付近では、暫定政府・エチオピア連合軍とイスラム原理主義
勢力「イスラム法廷連合」の戦闘が継続。
首都周辺に約3500人の法廷連合の戦闘員が潜伏しているとの情報もあり、国際テロ組織
アルカイダのナンバー2、アイマン・ザワヒリ容疑者がインターネットでエチオピアへの「聖戦」
を呼び掛けた。
武装解除のめどもたたず、平和維持部隊がテロの標的になる可能性もあり、AU各国が早期派遣
に応じるかは微妙な情勢だ。
ニュースソース:
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20070107k0000m030050000c.html