東欧のブルガリアとルーマニアが1日に新たに欧州連合(EU)に加盟したことで、
英国では両国からの移民や労働者の受け入れが論議になっている。
労働力不足の解消につながるとの期待もある半面、英経済に打撃を与えるとの見方が強く、
英政府は規制強化を打ち出した。
組織犯罪の広がりも懸念され、新たな拡大EUには不安が先行しているようだ。
EUが2004年に東欧諸国を中心に25カ国に拡大した際、英国はほぼ無制限で新規
加盟国からの移民や労働者を受け入れる方針を打ち出した。
英政府の統計によると、06年までの約2年で新規加盟国から計51万人の労働者が英国
に押し寄せている。
うち30万人以上がポーランド人で、現在はバスの運転手や配管工といった労働力不足の
分野を埋める傾向にあり、一定の効果はみられる。
経済界はブルガリアとルーマニアにも同様の期待を寄せている。
英紙フィナンシャル・タイムズによると、北海の油田や天然ガス田の開発、2012年
ロンドン五輪の会場建設で労働者を求める企業が両国の労働市場を調査している。
しかし、英国人の職が奪われかねず、EU内でも英社会になじみのない労働者が多く流入
すれば、社会不安を招くとの懸念も強い。
同紙が昨年に行った世論調査では、「ブルガリアとルーマニアからの移民や労働者は英経済
に打撃を与える」と答えた英国人が46%に上った。
英政府は社会への影響を和らげようと、ブルガリアとルーマニアからの労働者は農業と食品
加工業を除いて高度な技能を持った者だけを受け入れる方針だ。
これはEU以外の国と同等の扱いで、04年の加盟国とはきわめて対照的な措置といえる。
ニュースソース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070105-00000006-san-int