「核物質はもはや商品」…密輸や扱いミス倍増
【ワシントン=リチャード・ウィリング】
核・放射性物質の密輸や取り扱いミスが1990年代から2倍以上に増えていることが
米国土安全保障省の調べで明らかになった。ネット上での詐欺行為も増えている。
米政府が把握している盗難、紛失、取り扱いミスを含む事件は90年に年間100件だったが、
2000年以降は同200件から250件に増えた。
一方、国際原子力機関(IAEA)は04年の事件は121件、05年は103件としている。
安全保障省の数字と開きがあるのは、IAEAが加盟国からの報告だけを集計したものであるのに対し、
安全保障省の数字には米国と友好国が密輸またはその疑いがあると認めたものまで含まれているため。
安全保障省のベイル・オックスフォード国内核物質捜査局長は
「核物質は金もうけになると認識している人間がいる。
そのため核物質が売買対象の商品になってしまった」という。
同氏は「同時多発テロ以降、各国政府がテロ・グループによる汚い爆弾などの兵器製造に
警戒感を強めたため、報告される件数は今後、増えるだろう」とみる。
ネット取引では保有していないのに、核・放射性物質を売るとする詐欺行為も増えている。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/33667/