【イラク情勢】米のイラク新政策の策定　増派の発表は年越し［12/30］

ブッシュ米大統領は２８日、テキサス州クロフォードの私邸で、イラクの新政策策定
に向けチェイニー副大統領ら政権幹部と協議した。

新政策をめぐっては米軍を短期間増派するとの見方が有力だが、来年から議会多数派
になる民主党からは批判が出ており、大統領は年を越してさらに検討を進めるとしている。

３時間に及んだ協議にはライス国務長官、ゲーツ国防長官、ペース統合参謀本部議長
らも出席した。大統領は終了後、記者団に、計画策定は「順調に進展している」と述べた。

政府高官が米メディアに説明したところによると、イラク情勢全般について話し合い、
特に首都バグダッドの治安と米軍兵力規模に焦点をあてたという。

同高官は「計画は具体化しつつある」と述べた。来年初めには発表する見通し。

増派規模としては、現在１４万人弱の駐留米軍に加え、約半年間、最大３万人まで増やす
案がでている。

国防総省は２７日、増派に備え、クウェートに約３０００人の派遣を決めている。

増派をめぐっては、共和党のマケイン上院議員らが治安回復のため必要として支持する
一方、次期上院外交委員長に就く予定の民主党のバイデン議員が「まったく誤った戦略」
と批判。

ＡＰ通信によると、駐留米軍内からも「米軍の死傷者が増えるだけ」と否定的な意見が
出ている。

２８日付の米紙ワシントン・ポストによると、ゲーツ長官は軍事面だけでなく、経済面、
外交面など包括的な取り組みが必要と提言。

イラクの若者が宗派間の争いに加わるのを防ぐためには就職先の確保が必要として、
１月末までに国営の工場を１０カ所設置することも盛り込んだ。

イラクでは２８日までに１２月の米軍の死者が１００人に達し、２００３年３月の開戦後、
３０００人近くが死亡している。

政策変更を求められているブッシュ大統領は発表までにイラク政府や米議会とも協議する
考えだが、難しい宿題を背負ったままの年越しとなりそうだ。

ニュースソース
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/061230/usa061230001.htm

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