AP通信によると、ドイツは2007年1月1日にEU(欧州連合)の議長国となる
とともに、G8(先進8カ国)サミットの議長国の役も担う。
2006年のドイツは、好況が持続したほか、独チームがサッカー・ワールドカップ
で準決勝(ベスト4)まで進み、また、2005年末に同国初の女性宰相として登場
したアンゲラ・メルケル首相が2006年を通じて指導力を発揮し、政権を掌握
するなど、いいことづくめだったが、来年もこの勢いを持続し、国際舞台でも
ドイツの存在感を高める好機となる。
ドイツは、EU最大の経済大国であるにもかかわらず、第2次大戦時のナチスの
歴史もあり、NATO(北大西洋条約機構)やEUなどの国際舞台では控え目な
存在に終始してきていた。
しかし、メルケル首相が中東和平を模索し、同地域を訪問したり、EU予算を
めぐる紛争解決に一役買うなど、ここに来て、独政府の外交姿勢は積極さを
増している。
ドイツにとって、EUとG8という重要な国際舞台で、議長国の職を同時に遂行
できることは、外交能力を印象づけるために、何年に1回あるかないかの
願ってもない好機となる。
しかし、現実は厳しいものがある。
EUについては、フランスとオランダの国民投票で相次いで否決され、暗礁に
乗り上げている欧州憲法の批准問題を、いかに息を吹き返させるか、
さらに、欧州各国へのエネルギー供給国として、影響力を強めているロシアへの
対応や欧州産業の競争力強化など問題は山積している。
このため、メルケル政権は、短期間の議長国の任期内にすべてはできないと、
早くも予防線を張っている。
例えば、フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外相は、「単刀直入に言わせて
もらうが、6カ月(の議長国任期)に奇跡を起こすことはできない」と述べている。
また、メルケル首相は、2008年にフランスに議長国の座がめぐって来るまでに
欧州憲法問題は解決しないとの見方を明らかにしている。
同首相は議会で、「欧州憲法についての、我々の責任は明白である。しかし、
これは我々の議長国任期の間には終わらないプロセスとなろう」と発言している。
ニュースソース
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2921125/detail