イラク駐留米軍のウィリアム・コールドウェル(William Caldwell)報道官は27日、
同軍が前週バグダッドでイラン国籍の男2人を武器密輸の容疑で拘束し、現在
も拘束中であることを正式に発表した。
コールドウェル報道官は「米軍は21日にバグダッド市内で作戦を実行した」ことを
記者団に述べた。
同作戦では10人を拘束し、取り調べの結果その内の2人がイラン人であることが
判明したと述べ、彼らが武器密輸などの「違法行為」に関与していたことを証明する
「書類、地図、写真およびビデオテープ」なども押収したと伝えた。
また米軍は「聴取および押収した資料の調査によって、拘束した内の数人がイラク
国内の不法武装組織への武器の密輸に関与していたことが判明した」との声明を
発表している。
■拘束した場所に焦点
イラク政府指導部は、2人のイラン人が拘束された場所が、4日にホワイトハウス
(White House)でジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領と会談した、
イスラム教シーア(Shiite)派政党イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の指導者、
アブドルアジズ・ハキム(Abdul Aziz al-Hakim)師の自宅であったと述べている。
ハキム師の広報担当はこれを否定しているが、米軍が提出した地図に記されていた
拘束場所は、警備が厳重な同師自宅の敷地内またはその付近と一致している。
拘束されたイラン人2人をイラクに呼び寄せたジャラル・タラバニ(Jalal Talabani)
大統領の自宅は、カラダ(Karrada)地区近郊のハキム師の自宅に隣接している。
イラク駐留米軍司令部はたびたび、イラク国内の宗派間抗争をあおっているとして
イラン政府を非難しているが、シーア(Shiite)派主導のイラク政府は、イランとの綿密
な治安に関する政策を進めてきた。
■イラクとイランの関係、明るみに出るか
米国政府当局が拘束された2人のイラン人の違法行為に関する証拠を提出した場合、
イランの工作員が武器の供給および違法な戦闘員の育成によって、イラク国内の
武力衝突を後押ししている事を証明することとなる。
ニュースソース
http://www.afpbb.com/article/1199748