イラク駐留米軍では、これまでに、2001年9月11日の同時多発テロ事件による死者数
を上回る3000人近い死者を出した。
とはいうものの、応急処置の迅速化と医療の向上により、これまでの戦争と比較すると
生存率は格段に上がり、3000人は「予想をはるかに下回る」数字であるという。
米国防総省(Pentagon)の統計では、イラク駐留米軍の死者1人につき負傷者7人以上
が出ている計算となる。
政府説明責任局が6月に発表した報告書には、「負傷がもとで死亡する確率は、第2次
大戦時には30%であったが、アフガニスタンとイランにおける戦闘では、医療の向上に
より、3%にまで低下した。しかしながら外傷性脳損傷や手足を失うなど、重い障害を
負って帰国する人は多い」とある。
装備や軍事車両の高性能化、空中査察の徹底化も、米軍の死傷者数の減少に貢献
している。
イラク戦争は「モチベーションが高く高度に武装した集団を相手にしたベトナム戦争や
朝鮮戦争」とは性質が違うということも、背景にある。
イラクの武装勢力は、道路わきに仕掛けられた爆弾などの簡易爆発物と遠隔操作の
迫撃砲を唯一の「武器」として、米軍に対峙している。
■ 従来と違う対策
William Winkenwerder国防次官補は最近、アフガンとイラクの戦争について、「米軍を
守るには従来とは違う対策が必要だ」とコメントしたが、その一環として、重傷者の
応急処置と搬送の迅速化のために外科チームが戦闘地のできるだけ近い場所に
配置されている。
また、各軍隊には止血帯が支給され、それを片手でも装着できるようにするトレーニング、
さらには、負傷者を手当てするためのトレーニングも提供されているという。
重傷者は、かつては現場で集中治療が行われていたが、今は医療専門チームによって
ただちにドイツや米国の病院に運ばれ、そこで集中治療を受けることになっている。
ニュースソース:
http://www.afpbb.com/article/1198800 関連スレ
【イラク情勢】イラクで死亡の米兵2978人に 同時テロ犠牲者超える[12/26]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1167133501/l50 (
>>2-10あたりに続きます)
(
>>1の続き)
■ 国防省統計
国防総省の統計(9日時点)によると、米兵の累計負傷者数は、簡易爆発物によるもの
が1万1233人。迫撃砲やロケット弾によるものが1969人。銃弾によるものが1358人。
落下物に当たったり銃弾の跳ね返りを受けたことに起因したもの、爆音による難聴
といった副次的な負傷は、1579人にのぼる。
連合軍による空爆の際に負傷した米兵も663人を数え、死者は5人にのぼっている。
軍用機の墜落事故による負傷者は39人、死者は76人。
一方で、パラシュート事故、交通事故、手榴弾などによる負傷者は比較的少ない。
統計は、「若い兵士の犠牲者が多く、幹部の犠牲者が少ない」というもう1つの真実も
浮かび上がらせてくれる。
2日の時点で、22歳以下の負傷者は6704人。負傷者の半数以上は24歳以下である
という。
また、一般兵士の負傷者が1万3800人を超えているのに対し、下士官の負傷者は
6980人、幹部に至ってはわずか1269人にとどまっている。
人種的に見ると、負傷者の75%にあたる1万5807人が白人となっており、黒人は
1806人、ヒスパニックは1328人である。
性別では、負傷者の圧倒的大半が男性だが、女性の負傷者も434人を数えている。
(了)