【ヨハネスブルク=角谷志保美】
東アフリカ・ソマリアの内戦で、同国暫定政府を支援して軍事介入しているエチオピア軍は26日、
イスラム原理主義組織「イスラム法廷会議」の拠点である首都モガディシオに向けて進軍を開始した。
ロイター通信などが伝えた。
ソマリア暫定政府の駐エチオピア大使は26日、アディスアベバで記者団に対し、
「エチオピア軍はモガディシオから約70キロの地点におり、24〜48時間以内に首都を制圧できる可能性がある」と語った。
一方、イスラム法廷会議は同日、国内各地の拠点から撤退を開始、首都に向かっているとの情報もある。
穏健派指導者のアハメド氏は「エチオピアが空爆などを開始したので、我々は戦略を変更し、長期戦の準備に入った」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20061226i315.htm 【ヨハネスブルク白戸圭一】
ソマリア暫定政府とイスラム原理主義勢力「イスラム法廷連合」の戦闘が激化しているソマリア内戦は、
暫定政府を支援するエチオピアが25日に本格的な軍事介入に踏み切ったことで、
法廷連合への支援が指摘されるエリトリアとの間で「代理戦争」の性格を強めている。
両国は昨年末にも国境付近で一触即発の状態に陥っており、「アフリカの角」と呼ばれるこの地域一帯の情勢が急速に不安定化している。
ソマリアからの報道によると、エチオピア軍は、陸軍が25日、法廷連合の支配下にあった国境近くの町ベレドゥウェイネを制圧。
空軍も同日、法廷連合支配下の首都モガディシオの空港など2カ所を空爆し、空と地上から法廷連合への攻勢を強めている。
エチオピアが法廷連合の勢力拡大阻止を狙うのは、エチオピア東部にソマリア系住民による反エチオピア政府運動が存在するからだ。
法廷連合の指導者、アウェイス師はこの反政府運動を支援してきたことで知られる。
このためエチオピアは、ソマリアに法廷連合主導の新国家が誕生すれば反政府運動が激化すると考え、
イスラム色の薄いソマリア暫定政府を積極的に支援してきた。
一方、エチオピアは93年に同国から分離独立した北隣のエリトリアと対立。
98〜00年の戦争で約10万人が死亡し、昨年末にはエリトリアが国境の兵力を増強するなど緊張が続いている。
エリトリアはエチオピアへの対抗のために法廷連合を支援し、
エチオピアはエリトリアを「けん制」するために今回の軍事介入に踏み切ったというのが「代理戦争」の構図だ。
エリトリアはソマリア内戦への関与について沈黙しているが、
ソマリア暫定政府高官はロイター通信に「捕虜となった法廷連合戦闘員にはエリトリア人がいる」と明言。
在ソマリアのジャーナリストは法廷連合の支配地域に展開するエリトリア兵を確認している。
法廷連合には、エリトリアの他にも中東地域やスーダンからイスラム教徒の義勇兵が参加しているとみられ、
米国は、ソマリアがかつてのアフガニスタンに似た「イスラム過激派の牙城」になることを警戒している。
ソマリアは91年にバーレ政権が崩壊。
国のほぼ北半分が「ソマリランド」と自称する「政府」によって統治されているが、国際的な承認を得ていない。
南部では武装勢力の分割支配が続いてきたが、今年6月に法廷連合が首都を制圧した。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20061227k0000m030067000c.html 関連スレは
>>2以降で。