【イラン】選挙結果で穏健派ラフサンジャニ元大統領の発言力が強まる　イランの核政策にも影響か［12/20］

イラン内務省は１９日、最高指導者の任免権を持つ専門家会議（定数８６）選挙の
最終開票結果を公表した。

それによると最大選挙区のテヘラン州（同１６）で、保守穏健派のラフサンジャニ
最高評議会議長（元大統領）がトップ当選した。

全国市町村議会選でも保守穏健派が躍進しており、保守強硬派のアフマディネジャド
大統領に対する批判票が反映された形だ。

政権内でラフサンジャニ氏の発言力が強まり、イランの核政策に微妙な影響が出る
可能性もありそうだ。

テヘラン州選挙区には３２人が出馬。
ラフサンジャニ氏の得票は１５０万票を超え、２位の約１００万票を大きく引き離した。

アフマディネジャド大統領が師事する保守強硬派のメスバハヤズディ師は６位の８８万票、
ハタミ前大統領時代に核交渉責任者だった改革派のロハニ氏は７位だった。

ＡＦＰ通信によると、市町村議会選ではテヘラン市議会（同１５）で１９日午前現在、
保守強硬派２議席に対し、保守穏健派のガリバフ市長派が８議席と圧勝。
現有議席ゼロの改革派も４議席を獲得する勢いだ。

地方議会でも大統領派は伸びず、改革派のイラン・イスラム参加党は「大統領派の
決定的敗北」とアピールした。

アフマディネジャド大統領は昨年６月の大統領選決選投票でラフサンジャニ氏を破り、
核問題や対外政策で強硬姿勢を貫いてきた。

だが、国内的には経済政策で成果に乏しく、言論統制を強めており、今回の選挙結果
は大統領への国民の不満が現れた形だ。

一方で、選挙結果は大統領の施策に直接影響を与えるものではないとの見方が強い。
ウラン濃縮活動を含む核開発の継続は改革派を含めた国民のコンセンサスになっている。

だが、先月の米中間選挙で与党・共和党が敗北しブッシュ政権が強硬な外交政策の
変更を迫られたように、イランでも同様の「揺り戻し」があり得るとの指摘もある。

改革派ジャーナリストのシャムソルバエジン氏は「核問題の最終政策決定権は最高指導者
にある。選挙前、核や外交政策で現実路線を主張するラフサンジャニ氏は最高指導者に
対する専門家会議の監視を強めると発言しており、今後の核交渉のあり方に影響が出る
可能性がある」と指摘した。

ニュースソース
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20061220k0000m030099000c.html

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