ペルシャ湾に面した連邦国家、アラブ首長国連邦(UAE、人口約400万人)は16日、
1971年の独立以来、初めてとなる連邦評議会選挙を実施する。
7つの首長国で構成されるUAEの有権者総数は約80万人だが、投票を認められている
のはそのうちわずか1%。
また、1院制の同議会の定数は40議席で、このうち投票によって選ばれるのは全議席の
半数のみ。
しかも、政党結成は許可されておらず、初選挙ではあるが、民主的選挙とは言いにくいもの
となっている。
とはいえ、投票対象となる20議席には数百人に上る立候補者が出たほか、今回は投票の
権利を持てなかった有権者たちも、今後の展開に期待を表している。
民間企業で広報を担当しているハジリさんもそのひとりで、「これまでは選挙はなかったが、
それでもこの国ではよい教育を受けられ、よい仕事にも就くことができた。今回は投票でき
ないが、次回に期待している」と話していた。
UAEの近隣諸国は内容はそれぞれ違っているが、いずれも選挙を実施しており、その意味
でもUAEが最後に残されていた。
このうちクウェートは今年6月、女性にも投票権を認めた議会選挙を実施した。
保守的体質で知られるサウジアラビアも昨年、制限をもうけながらも、市議会選挙を行った。
この結果、湾岸地域で政治改革が進む中、UAEだけが旧態依然とした政治体制を続ける
ことが難しくなっていた。
こうした変化の風を歓迎しているのが評議会議員に立候補したスルタン氏で、「UAEでは
選挙や推薦という言葉がタブーになっていた時期があった。今は、これら2つの言葉が自由
に口に出せる」と、時代の変化を強調している。
スルタン氏は続けて、「UAEは建国以来、政治の流れが遅かった。それだけに、連邦評議
会員の半数が選挙で選ばれることでも、大きな変化だ」と指摘している。
一方、選挙管理員会によると、今回の投票は16、18、20日の3日間に分かれて実施され、
今後4年以内には全有権者が投票できるようになる。
UAEは人口の80%が外国人で、全有権者の投票が認められることになっても、これら
外国人の住民には選挙権は認められないとされる。
また、次回、2010年に予定される選挙でも、選挙で選出される連邦評議会議員数は今回
同様、20人に制限される。その上、連邦評議会には立法権が与えられていない。
このため今回の選挙に立候補しているスルタン氏は、立候補に当たっての公約を「評議会
に立法権を持たせる」にしている。
ニュースソース
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2865084/detail