米環境保護団体のNRDCは、「Trash Landings」というタイトルの報告書を公表し、
米国の航空会社は毎年、リサイクル可能なアルミ缶を、米ボーイング社の747型
旅客機58機分に相当する量を廃棄していると批判した。
航空業界が不十分な資源リサイクルによってお金を無駄遣いしているとも主張している。
NRDCは、2年間かけて米国内の空港30カ所で調査を実施。
航空業界はアルミニウム以外にも、2004年の1年間にプラスティックのごみを9000トン、
新聞紙や雑誌に至ってはサッカーのピッチ全体に70約メートル積み上げられる量を
リサイクル利用せずに投棄し、その合計量は42万5000トンを上回る、と報告している。
この量を旅客1人当たりに換算すると約0.6キロとなり、米国人1人が1日に廃棄する
ごみの3分の1に相当する。
また、現在廃棄されているアルミ缶の70%をリサイクルすると5000世帯が1年間に
消費するエネルギー相当分を節約できるという。
アルミ製のごみは、空港等で廃棄されるゴミ全体の1%を占めるに過ぎないが、アルミ
1トンをリサイクルすることによって節約できるエネルギーは、同量の新聞紙の11倍、
プラスチックゴミの8倍に相当するという。
報告書は、シアトル・タコマ空港の例を挙げ、空港内のコーヒー店でこれまで廃棄していた
出し殻を、肥料会社に引き取ってもらうことで、出し殻1トンにつき60ドル(約7000円)の
節約が可能になった例を指摘。
また、使用済みの食用油を燃料に転用することで、油1トンに付き100ドルの費用削減
が生まれた成果を紹介している。
これに対し、航空業界団体のACI―NAは、リサイクルの手本となるプログラムをフォーラム
などを通じてメンバーに紹介していると述べ、空港関係者は経費節減と環境保護に努めて
いると反論している。
ニュースソース
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200612150027.html