米国でベビーブーマー(団塊世代)が大量退職の時期を迎え、多くの企業が
「米国版2007年問題」に頭を抱えている。
中でも、利益率重視で新規採用を控えてきた鉄道業界の悩みは深刻だ。
イラクからの帰還兵や不振が続く米自動車関連業界でリストラされた社員など
をかき集めているが、労働力不足は簡単に解消できそうにない。
「(タイヤメーカーの)グッドイヤーをリストラされたテキサス州の皆さん、ようこそ」
米貨物鉄道最大手ユニオン・パシフィック(ネブラスカ州)の採用ホームページには、
こんなメッセージが並ぶ。
新卒者以外に採用の主なターゲットとしているのは、ゼネラル・モーターズ(GM)など
ビッグスリー(米3大自動車メーカー)不振の余波を受け解雇された自動車関連業界
の元社員や兵士だ。
11月には、米陸軍との協定で、退役予定の兵士を対象に、陸軍の採用部門が同社
への就職を斡旋(あっせん)し、鉄道会社の日常業務の研修を実施することを取り
決めた。イラクからの米軍撤退をにらみ、大量の労働力確保を狙ったものとみられる。
業界2位のバーリントン・ノーザン・サンタフェも同様に、陸軍との協定を結んだ。
ユニオン・パシフィックの場合、経験は不問、初任給は年4万ドル(約456万円)で、
数年後には7万5000ドル(約855万円)と、連邦法の最低賃金(時給5ドル15セント
=約587円)で働く小売業界の従業員には考えられないほどの好待遇だ。
鉄道業界につきものの祝日・深夜勤務が敬遠されるという事情はあるものの、労働力
不足の深刻さがうかがえる。
米国のベビーブーマーの第一陣は今年から来年にかけ多くの企業が定年年齢に設定
している60歳を迎え、労働力不足が深刻化する。
中でも貨物鉄道は、業界固有の事情があり、ベビーブーマー退職の影響を最も大きく
受けるとみられている。
というのも、米国の貨物鉄道業界は、70年代に経営が急激に悪化。
最大手ペン・セントラルの経営破綻(はたん)に端を発する大規模な業界再編を経験した
ことが、いびつな採用体系につながったためだ。
AP通信によると、ユニオンパシフィックの場合、過去27年で7回の合併を繰り返した。
利益率の改善を最優先課題に、新規採用を長年の間見送り、若年層が極端に少ない
年齢構成になっている。
同社は今年の6000人に続き、数年間は5000人以上の大量採用を計画している。
バーリントン・ノーザン・サンタフェも過去4年間で1万4000人を採用したが、ベビー
ブーマーの大量退職で、06年末の従業員は4年前に比べわずか35000人増の4万人
にとどまる。
貨物鉄道業界では、ベビーブーマーの大量退職問題に加え、排ガス規制をにらんで
トラック輸送から鉄道輸送に切り替える荷主が急増。
労働力不足に輪をかけつつあるという。
米鉄道協会は、貨物鉄道業界全体で今後6年間に8万人規模の新規採用が必要になると
予測している。
ニュースソース
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200612080010a.nwc 関連スレ
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