核の主要部分、寿命は85年 米新型弾頭議論に影響も
【ワシントン29日共同】米国の核兵器を管理する核安全保障局(NNSA)は29日、
核爆発を引き起こす中枢部分「プルトニウム・ピット(塊)」の寿命について、
「最低85年」との分析をまとめ、議会に報告した。NNSAは従来「45−60年間」と主張していた。
ブッシュ政権は現存する核兵器のピットの老朽化を理由の一つに、
新型核弾頭「信頼性のある代替核弾頭(RRW)」の研究を推進してきたが、
従来の見方を大幅に上回る結果が出たことを受け、RRWへの慎重論が今後、
民主党主導の新議会で台頭するとみられる。
またNNSAは有事に最大で年間200個のピットを生産できる新施設の青写真を議会に示しているが、
変更を求める声も出てきそうだ。
NNSAによると、ロスアラモス、リバモア両国立研究所が米国の保有する核弾頭、爆弾を調べた結果、
大半のピットが最低でも85年間の寿命を持つことが判明。
この結果を精査するため議会が設置した第三者専門家機関は、
大半のピットの寿命を「最低100年」と結論付け、両研究所の分析内容を大筋追認した。
シンクタンク「軍備管理協会」のキンボール会長は
「(2040年までに)既存の核をRRWで置き換えるというブッシュ政権の議論の根拠を大きく損なう内容」
とし、新型核開発を根本的に見直すべきだと主張した。
共同通信
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