【ハーグ(オランダ)福原直樹】オランダの総選挙は22日投票が行われ、同日夜(日本
時間23日未明)にも大勢が判明する。事前の世論調査では、バルケネンデ・暫定内閣
首相が率いる中道右派勢力が多数を占める見込みだが、同勢力が下院(150議席)の
過半数を占める可能性は低く、選挙後の組閣で、最大野党の労働党との激しい駆け引き
が予想される。
選挙直前の世論調査では、同首相のキリスト教民主勢力が44、連立政権を組む自由
民主党が27の現有議席をほぼ確保する勢い。中道左派・労働党は議席数が42から
35前後に転落する一方で、左派の社会党は議席数を9から25前後に増やす勢いだ。
選挙戦では政権側が、イスラム教徒の女性に顔全面を覆うベールを公の場で被らない
よう求めるなど、移民問題が争点に浮上した。一方、社会党は欧州連合(EU・25カ国)
への権力集中や、EUの将来を規定する欧州憲法を批判し支持を伸ばした。左右両派
とも過半数を占める可能性は低く、組閣では少数政党の動きが焦点となりそうだ。
同国では今年、ソマリア出身の元女性下院議員が、90年代に亡命申請した際に偽名
を使ったことが発覚。政府は5月、議員の国籍はく奪を決めたが、批判を受けてこの
決定を覆した。これに対し連立政権を担う民主66が「政策が一貫しない」と連立から
離脱。6月に内閣は総辞職し、辞職した内閣による暫定政権が続いていた。
毎日新聞 2006年11月22日 17時24分
ソース
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20061123k0000m030005000c.html