米大統領用ヘリポート不評、植物園に建設 インドネシア
20日にブッシュ米大統領の訪問を受け入れる予定のインドネシアで、
大統領一行の利用を目的とした臨時のヘリポートが由緒ある植物園に建設された。
「自然破壊だ」「特別扱いしすぎ」などと反発が広がっている。
首脳会談が開かれる西ジャワ州ボゴールの大統領宮殿に隣接するボゴール植物園。
1817年に開設され、貴重種を含む1万5000種の樹木などが約80ヘクタールの敷地に
植えられた観光地としても知られる。
ここに、20メートル四方の離着陸所が設けられた。
植物園側によると、当初は建設に反対したものの、「芝をはがすのは一時的で、
訪問終了後に元に戻す」との説明で同意したという。しかし「ヘリの風圧で、初の結実が
期待されるモルディブ原産の樹齢37年のヤシに影響が出ないか心配だ」(担当者)などの
声も上がった。
12日にインドネシア軍の大型ヘリで実施された試験離着陸でも、50メートル離れた池で
直径2メートル近い大きなハスが風でめくり返り、職員があわてて元に戻す場面も見られた。
ブッシュ大統領は20日午後、ジャカルタの空港に大統領専用機で到着した後、
約60キロ離れた宮殿までヘリで移動。ユドヨノ大統領との会談や夕食会に臨んだ後、
同夜、再びヘリで空港に向かい、帰路につく予定。
わずか10時間の滞在ということもあり「政府は過剰な対応をすべきでない」
(アグン国会議長)といった批判的な意見が強い。
地元紙も社説で「我が国は、超大国を前に無力で、精神的にはまだ独立を果たしていない
かのようだ」(メディア・インドネシア)などと非難。
これに対し政府は「訪問の本質を議論してほしい」(大統領報道官)と反論している。
2006年11月15日14時17分
(asahi.com)
http://www.asahi.com/international/update/1115/011.html