アルジャジーラが英語放送開始 衛星放送の世界に風穴
【カイロ=村上大介】
「アラブ世界のCNN」との異名を取るカタールの衛星ニュース局
アルジャジーラ(半島)が15日、英語放送を開始する。
官製報道が主流の中東で歯にきぬ着せぬ異例の報道ぶりから人気を集める同局だが、
英語による発信で、米CNNや英BBCなど「米欧に偏った衛星放送の世界」に風穴を
開けようと狙っている。
同局はカタールのハマド首長一族の出資で設立され、11月1日に発足10年を迎えた。
独裁や王政がほとんどのアラブ世界で、CNN型の24時間速報体制を取る初の衛星テレビ局
として圧倒的な人気を確立。
9・11同時テロ後のイスラム過激派の動向やイラク戦争などでも独自の視点を提供、
欧米にとっても欠かせぬメディアとなっている。
声明で同局は「途上国を拠点とした唯一の国際メディアとして、偏りのない公平な報道を
保ちながら、南から北へと情報の流れを変える」と英語放送の意義を説明する。
同局は国際テロ組織アルカーイダなどの声明をいち早く報道することでも知られ、
米国などは「反米的で、中東の民衆を扇動している」と批判する。
英語放送開始にあたっては55カ国から約800人のスタッフをそろえ、
BBCなどで活躍したデビッド・フロスト氏(69)ら有名記者も引き抜いた。
欧米のベテラン記者が、アルジャジーラを舞台に、どのような報道を生み出すかも注目されている。
主要拠点をドーハ、ロンドン、ワシントン、クアラルンプールに置き、
当面は1日のうち12時間をライブに充て、来年1月から完全な24時間体制に移行するという。
(11/15 01:43)
(産経web)
http://www.sankei.co.jp/news/061115/kok002.htm