イランの核問題で、英仏独の欧州3カ国は24日、対イラン制裁を盛り込んだ国連安全保障理
事会の決議草案をまとめ、常任理事国の米中露に配布した。欧州外交筋が25日明らかにし
た。26日に常任理事国5カ国と独の国連大使会合を開き、安保理での論議の進め方などを
協議する予定で、制裁論議が本格化する。
ロイター通信によると草案は核・ミサイルなど大量破壊兵器の拡散防止を狙い、加盟国に対し、
関連物資や技術の移転防止を求めているほか、核開発計画に関連した人物の渡航禁止や
金融資産凍結も盛り込んでいる。
英仏独と米中露は、安保理に制裁権限を与えた国連憲章第7章(平和に対する脅威への対
応)のうち、経済制裁など非軍事的手段について定めた第41条に基づいた制裁措置をイラン
に対して検討することで一致している。北朝鮮への制裁決議も同条に基づいており、類似した
内容とみられる。
イラン南西部のブシェール原発建設へのロシアの支援について、欧州各国がロシアの拒否権
発動を防ぐため、制裁から原則的に除外する方針を決めたが、米国は反対の姿勢を崩してい
ない。一方で同原発への燃料供給は除外対象となっていない。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20061026k0000m030103000c.html