ロシア極東のサハリンで進む石油天然ガス開発のうち、
「サハリン1」を運営するアメリカの石油会社が、
天然ガスを中国に供給する覚書を中国側と交わしたのに対し、
ロシアのガス輸出を独占する国営の
ガスプロムは24日、ガスプロム抜きの輸出は許さない方針を示し
アメリカとロシアの駆け引きが強まっています。
「サハリン1」はサハリンの北東沖で進む石油天然ガス開発で、アメリカの大手石油会社
エクソン・モービルや日本の大手商社などが参加しています。このうち
エクソン・モービルは先週、「サハリン1」で産出される天然ガスのうち、
ロシア国内向けを除くすべてのガスを
中国の石油会社に供給する契約の前提となる覚書を中国側と交わしました。
これに対して、ロシア国内で独占的にガス開発を行っている国営企業の
ガスプロムは24日、「サハリン1」で産出される天然ガスのすべてを
ガスプロムが買い付けてロシア国内で利用する方針を示しました。
この背景には、輸出の独占的な権利を維持したいガスプロムと、
ガスプロムを経由せずに中国向けの輸出を行いたいエクソンの
思わくの対立があるものとみられます。プーチン大統領も
「ガスプロムがロシアからの輸出権を独占すべきだ」
と発言しており、「サハリン1」から中国への輸出をめぐって
アメリカとロシアの駆け引きが強まっています。
動画
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/10/25/v20061025000058_mh.html http://www3.nhk.or.jp/news/2006/10/25/k20061025000058.html