野菜、ナッツ、材木、家畜に至るさまざまな農産品の盗難被害が、地方を中心に急増している。
クリスチャン・サイエンス・モニターによると、サウスカロライナでは今年初め、チェインソーで勝
手に木を切り出して売却していた男が盗みで逮捕された。
価格高騰のため、特定の農産物需要が高まっている。アーモンドの卸価格はこの夏、1ポンド
あたり70セントに急上昇、牛肉の価格も高止まり状態だ。上質な材木の値段の上昇も止まら
ない。夏に銅の相場が1ポンド=2.80ドルに高騰してからは、銅泥棒も急増した。
警察当局によると、農産品の盗難被害額は数億ドルに上る。しかし、農家の盗難被害届は10
分の1程度しか出されておらず、被害の年間総額は10億ドルを下らないと見られる。
カリフォルニア州チュレア郡検事局の地方犯罪特捜部長ビル・ヨシモト氏は、田舎で農産品を
盗むのは容易だと指摘する。泥棒たちが犯罪で使うトラクターなどは田舎ではよく見られるた
め、堂々と使っていても違和感がない。またインターネット取引で盗難品を売りさばく例が増え、
追跡が難しくなっているという。
テキサスでは昨年、当局が5000頭以上、計350万ドル相当の肉牛を泥棒の手から取り戻した。
カリフォルニアでは今年、トラック12台分のアーモンドが盗まれている。
犯罪対策も始まっている。カリフォルニアの14郡でつくる農業犯罪技術情報および対策ネット
ワーク(ACTION)は、移動物探知機と監視カメラを無料で農家に貸し出している。一部の農家
は、野菜に焼き印をして盗難防止に乗り出した。
ハワイでは今年、すべての農産物の購入で受領証発行を義務付ける法律が制定された。コー
ヒー豆の買い付けでも、支払いは現金ではなく小切手の使用が義務付けられている。
http://www.usfl.com/Daily/News/06/10/1019_021.asp?id=51002