「チリ元大統領、収容所の拷問・殺人で尋問」
チリで1990年までの17年間、軍事独裁を敷いたピノチェト元大統領(90)が18日、
秘密収容所「ビジャ・グリマルディ」であった拷問や殺人への関与について、初めて
裁判官の尋問を受けた。グリマルディはピノチェト独裁下になされた人権侵害の象徴的
存在とされ、現在のバチェレ大統領も医学生だった75年に拷問を受けている。
ロイター通信などによると、尋問はサンティアゴ市内の自宅で約1時間行われた。
ピノチェト元大統領は裁判官に「記憶にない」との答えを繰り返したという。
裁判官は地元メディアに対し「状況も被害者の名も知らないと述べ、責任はないという
考えを示した」と語った。
ピノチェト独裁下、チリでは約3000人が死亡または行方不明となり、約3万人が拷問を
受けたとされる。グリマルディでは数千人が拷問を受け、約300人が行方不明になった。
裁判は、元大統領としての免責特権や健康上の理由から、多くが停止されてきたが、
再開の動きが徐々に進んでいる。
引用元:朝日新聞
http://www.asahi.com/ (2006年10月21日)
http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000610200013