【ベルリン26日豊田剛】ベルリンのドイツオペラ劇場は25日、11月に予定されていたモーツァ
ルト歌劇「イドメネオ」の公演キャンセルを決めた。ベルリン市治安当局が、イスラム教過激派を
刺激しかねないシーンがあることを理由に公演取り止めを求めていた。
問題となっているのは、ポセイドン、イエス・キリスト、仏陀と並んでイスラム預言者ムハンマド
の首を椅子に並べる場面。今年初めにデンマーク紙などがムハンマドの風刺画を掲載したこと
で、イスラム世界で暴動やデンマーク製品の不買運動に発展したことやローマ法王ベネディクト
16世のイスラム教のジハード(聖戦)批判発言による波紋を踏まえ、劇場側は公演キャンセル
に踏み切った。
警察当局は、イドメネオの上演をめぐってイスラム過激派による脅しやテロの兆候はこれまで
見当たらないとしている。イドメネオ演出家のノイエンフェルス氏は、ラジオインタビューで「早急
でヒステリックな判断」と非難。2003年の初公演では「イスラム組織から一切批判や脅しはなか
った」と反論した。
ワシントン訪問中のショイブレ内相は公演キャンセルを「受け入れられない」と怒りを表明した。
同内相は27日、ベルリンでイスラム代表者会議を開催、イスラム教徒のドイツ社会への融合を
求める意向だ。
2006/9/26 18:35
ソース
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/060926-183520.html