アフリカ、南米、中欧… 異色ツアーが続々 ニーズ多様化、新鮮さ勝負
旅行会社のパックツアーに“異色”コースが増えている。旅行者ニーズの多様化を背景に、
各社がアフリカや南米など従来のパック旅行とは一風変わった目的地のツアーを発売。
ハンガリーやチェコ、スロバキアといった中欧はブームの様相をみせるなど、一般化した
北米や北欧から目先を転じた商品展開で、新たな顧客取り込みにつなげる考えだ。(内田博文)
阪急交通社は今年下期(10月〜平成19年3月)の商品で、南アフリカへのツアーを拡充し、
「南アフリカとビクトリアの滝・チョベ国立公園を巡る8日間」を新たに投入した。
今年度中に南部アフリカに約2600人の利用を見込むという。
日本旅行も南アの喜望峰からビクトリアの滝などを周遊する商品を販売。
「南アは4年後のサッカー・ワールドカップ開催国。今後も着実に需要は高まる」と見込む。
一方、近畿日本ツーリストは、南米のペルー・インカ帝国、メキシコ・マヤ文明などを
ターゲットにしたツアー「南米探訪」を開発。専用パンフレットでユネスコの世界遺産にも
なっているペルーのマチュピチュ遺跡、マヤ文明のテオティワカン遺跡などを巡るコースを
アピールし、下期で200〜300人の集客を見込む。
JTBグループで、専門性の高い目的地を対象にしたツアーを扱うJTBグランドツアー&サービスは、
北西アフリカ・チュニジアからサハラ砂漠を巡るツアーなどを今下期に実施。
サハラ砂漠の中のテント式ホテルに宿泊したり、他コースでは地元住民と交流したりと、特色を持たせた。
こうした異色のツアーに取り組むのは、ありふれた目的地では満足できない「リピート旅行者」の
増加によるニーズ多様化のため。旅行各社は「2度目、3度目の旅行者に選んでもらうには、
ありきたりのパック旅行ではない、新鮮味のあるツアーを提供する必要がある」と口をそろえる。
23〜24日に一般公開される旅行イベント「JATA世界旅行博2006」(東京ビッグサイト)も
目玉企画としてハンガリーやチェコ、スロバキアなどのブースを集めた「中欧コーナー」を開設。
航空路線が不便でツアーが少なかった中欧も、新鮮さを追い風に注目を集めはじめた。
「来年度以降、団塊世代が大量退職時代を迎えるが、彼らは何度かの海外旅行を経験して
通常の旅行商品では満足しない。そんな団塊市場の獲得にもつながる」(旅行大手)。
異色ツアーに注力する各社には、こんな計算もある。
(産経新聞) - 9月23日8時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060923-00000007-san-bus_all