【ロンドン=蔭山実】
英国のシンクタンク、国際戦略研究所(IISS)は5日、国際情報に関する報告書「戦略概観2006」を発表。
この中で2001年の米国中枢同時テロから5年、国際テロ組織アルカーイダは組織力が低下したものの、
テロリストは世界に拡散したため、武力による壊滅はもはや難しいとの見方を示した。
欧米で共同して広範な対策を講じなければ、国際テロに打ち勝つのは難しいと指摘している。
報告書によると、2001年のアフガニスタン戦争以降、
アルカーイダが世界に散らばり、欧米では自国で生まれ育ったテロリストが増加した。
こうした自国産の「内なるテロリスト」が自発的にテロを実行する傾向が生まれていると分析、
昨年7月のロンドン地下鉄・バス同時テロなどをその例に挙げている。
こうした傾向に拍車をかけるのがインターネットによるイスラム過激思想の広がりで、
「情報収集や法規制でテロ活動を見抜くことはできても、武力で壊滅させることは困難だ」と指摘している。
このため、欧米間でテロ対策の戦略を集約させ、統一した対策を早期に構築させることが必要だとしている。
欧州は、かつて植民地だったアジアやアフリカ各国から移民を受け入れている。
建国からの移民国家である米国と異なり、欧州では、
イスラム系移民らが既存の社会になじめない場合に過激思想に走りやすいとして、
テロを生む可能性が大きくなっているという。
イスラム過激派の拠点はアフガニスタンからイラクに移り、
「イラクの武装勢力に加わって帰国した者が欧州の治安に影響を与える」と警鐘を鳴らしている。
イラクでは武装勢力が治安部隊にも浸透しており、宗派抗争が「内戦」に発展することも懸念されている。
若いイスラム系移民がイラクに向かわないようにするためにも、
欧州は移民社会の融合に努める必要があると論じている。
◇
「戦略概観2006」巻頭の「展望」のポイントは次の通り。
一、国際システムの問題は、ブッシュ米政権が1期目の戦略で指導的役割を果たせなかった一方、
国際社会も米国を中心としない秩序を構築できなかったことにある。
一、国連、北大西洋条約機構(NATO)、核拡散防止条約(NPT)、世界貿易機関(WTO)などは、
核不拡散、非民主的ながら裕福な中国の増大する役割、イスラム過激派などの問題に対応できていない。
一、ブッシュ政権の単独行動主義はこの問題を加速させ表面化させた上、
少なくとも(国際社会による)共通の効果的行動を妨げてきたと考えられる。
一、国連安全保障理事会の構成は、もはや世界の力のバランスを反映していない。
国連は汚職や関連機関の効率の悪さで弱体化した。
一、NATOは冷戦後の役割を見いだしておらず、WTOは新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が行き詰まった。
(ロンドン 共同)
■ソース
Yahoo!ニュース(産経新聞) - 9月6日8時2分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060906-00000004-san-int 自分では読めませんが、とりあえず原文置いときます。
http://www.iiss.org/publications/strategic-survey (国際戦略研究所
http://www.iiss.org/ より)
「戦略概観2006」巻頭の「展望」のポイントは次の通り。
一、国際システムの問題は、ブッシュ米政権が1期目の戦略で指導的役割を果たせなかった一方、
国際社会も米国を中心としない秩序を構築できなかったことにある。
一、国連、北大西洋条約機構(NATO)、核拡散防止条約(NPT)、世界貿易機関(WTO)などは、
核不拡散、非民主的ながら裕福な中国の増大する役割、イスラム過激派などの問題に対応できていない。
一、ブッシュ政権の単独行動主義はこの問題を加速させ表面化させた上、
少なくとも(国際社会による)共通の効果的行動を妨げてきたと考えられる。
一、国連安全保障理事会の構成は、もはや世界の力のバランスを反映していない。
国連は汚職や関連機関の効率の悪さで弱体化した。
一、NATOは冷戦後の役割を見いだしておらず、WTOは新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が行き詰まった。
うーん…日本語でも良く分からない(´・ω・`)