◇最新ファッション情報に軍事機密暗号が……スパイ情報公開
[ロンドン 4日 ロイター] 第二次大戦中のドイツのスパイは、連合国の
検閲官をあざむくために、最新ファッションをまとったモデルの図版に
秘密のメッセージを隠して情報を送っていた。
4日に公開された英国の安全保障関連資料によれば、ナチの諜報員たちは、
図面中にモールス符号の点と線を入れ込み、軍事機密を伝えていた。
彼らは、スパイ対策専門家たちが一見何でもない図面に
騙されることを期待して、手紙を投函した。
しかし、英国諜報部の役人たちは策略に気がつき、情報漏洩を
防ぐために暗号破りのガイドを発行してこれを検閲していた。
今回はじめて一般公開された英国諜報部の資料には、
3人の若いモデルの図に隠された暗号の例が挙げられていた。
ガウン、帽子、ブラウスを装飾する刺繍のパターンに、
「敵の援軍が一時間ごとに予想される」というメッセージが
隠されている。
この資料には、スパイが郵便で送る暗号の事例が他にも挙げられている。
あぶり出しインク、ピンで刺した穴、手紙の窪みなどが、軍の動き、空襲、
造船などについての情報を伝えるのに利用された。
スパイたちは情報を楽譜やチェスの説明、普通の文字を装った速記文字などに
隠した。はがきは半分に裂かれ、薄いメモを詰めて再び一枚にされた。また彼らは、
特定の語の最初の文字のみを拾うことで意味をなすといった手法も用いた。
今回、機密扱いを外された資料には、1942年に捕まったドイツ人スパイふたりから、
イギリスの諜報機関が解読に失敗してきたこうした暗号のうち2種類が明らかに
なったことなども記されている。戦時中の英国でスパイ部門の最高責任者を務めた
デヴィッド・ピートリーは、失敗について「いくらか不穏である」と書いた。
暗号は、「ヒュバート」から「ジャネットおばさん」への手紙に隠されていた。
「14のボーイング・フォートレスが昨日、ヘンドン(ロンドン)に到着しました。
パイロットはキール(ドイツ)を襲撃すると予想されます」
戦争が進行するにつれ、スパイ対策専門家たちは疑わしい手紙を見分ける方法を開発していった。
スパイの仕業と疑われるものには、内容がはっきりせず、とりとめのない手紙も含まれていた。
しばしば必要以上の切手が貼られ、中立国へ向けて送られている。不自然だったり意味を
なさない文章は、暗号の型に合うよう言葉を用いたのではないかと疑われた。数字のリストや
ブリッジのゲームに関する長い手紙も、疑念を抱かせるものだった。
ソース(excite ロイター)
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081157416060.html ▽一般公開された英国諜報部の資料
http://image.excite.co.jp/feed/news/extnews/extnews_2006-09-04T025147Z_01_NOOTR_RTRIDSP_2_OUKOE-UK-BRITAIN-SPIES.jpg