◇国際結婚カップルの離婚 手続き統一へ EU基準作り
【ベルリン=黒沢潤】欧州連合(EU)はこのほど、加盟国内で国際結婚をした
カップルの離婚手続きに関する「統一基準」作りに乗り出した。離婚の増大に
対応したものだが、EU内には離婚手続きについて比較的自由な姿勢を見せる国と、
保守的な立場をとる国があり、統一基準の策定は容易ではなさそうだ。
2004年5月に25カ国に膨れあがったEU内では現在、国際結婚をしたカップルの
年間離婚件数が約17万件(離婚全体の16%)に上っている。しかし、EUには
共通の基準がなく、配偶者はどちらかの母国の手続きに従うのが普通だった。
しかし、各国の手続きも千差万別。例えばアイルランドでは離婚までに
4年間必要なのに対し、フィンランドではわずか6カ月。国によってはどちらかに
有利・不利になるケースもあるほか、ドイツ人とイタリア人のカップルが第三国の
ポルトガルに住んだ−などといった場合には事情がさらに複雑になる。
EUはこうした事態を改善するため、2人の結婚期間や子供の有無などさまざまな
ケースに応じどの法律を選択すべきかを規定する基準を設けたり、第三者の意見を
聴く機会を設けたい考えだ。
ただ、EU内にはポーランドやアイルランドのように、カトリックの保守的な
価値観を重んじる国もあり、統一基準実現への道のりは遠そうだ。
ソース(goo 産経新聞)
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/kokusai/20060820/m20060820002.html