>>16 抜粋してみた
『キリシタン大名、小名、豪族たちが、火薬がほしいばかりに女たちを南蛮船に運び、
獣のごとく縛って船内に押し込むゆえに、女たちが泣き叫び、わめくさま地獄のごとし。』
ザヴィエルは日本をヨーロッパの帝国主義に売り渡す役割を演じ、
ユダヤ人でマラーノ(改宗ユダヤ人)のアルメイダは、日本に火薬を売り込み、
交換に日本女性を奴隷船に連れ込んで海外で売りさばいたボスの中のボスであった。
キリシタン大名の大友、大村、有馬の甥たちが、天正少年使節団として、
ローマ法王のもとにいったが、その報告書を見ると、
キリシタン大名の悪行が世界に及んでいることが証明されよう。
『行く先々で日本女性がどこまでいっても沢山目につく。ヨーロッパ各地で50万という。
肌白くみめよき日本の娘たちが秘所まるだしにつながれ、もてあそばれ、
奴隷らの国にまで転売されていくのを正視できない。
鉄の枷をはめられ、同国人をかかる遠い地に売り払う徒への憤りも、
もともとなれど、白人文明でありながら、何故同じ人間を奴隷にいたす。
ポルトガル人の協会や師父が硝石(火薬の材料)と交換し、
インドやアフリカまで売っている。』
日本のカトリック教徒たち(プロテスタントもふくめて)は、
キリシタン殉教者の悲劇を語り継ぐ。
しかし、かの少年使節団の書いた(50万人の悲劇)を、
火薬一樽で50人の娘が売られていった悲劇をどうして語り継ごうとしないのか。
キリシタン大名たちに神社・仏閣を焼かれた悲劇の歴史を無視し続けるのか。
数千万人の黒人奴隷がアメリカ大陸に運ばれ、数百万人の原住民が殺され、
数十万人の日本娘が世界中に売られた事実を、
今こそ、日本のキリスト教徒たちは考え、語り継がれよ。
その勇気があればの話だが。
鬼塚英昭著「天皇のロザリオ」(p249-257)
徳富蘇峰『近世日本国民史』初版(秀吉の朝鮮出兵従軍記者の見聞録)