英政府、W杯チケット被害の小学生らに救済措置
≪FIFAと交渉、決勝Tの試合に無料招待≫
【ロンドン=蔭山実】
サッカーのワールドカップ(W杯)でチケット詐欺に遭い、試合観戦ができなくなった
英国の小学生ら約400人は21日、英政府とFIFA(国際サッカー連盟)の交渉で
決勝トーナメントの試合を無料で観戦できることになった。
2012年のロンドン五輪に向けて子供のスポーツ振興を図るブレア英首相が率先して
異例の救済措置に乗り出した格好だ。
ブレア首相は19日、小学生らがチケット詐欺で観戦できなかったことを聞いて
BBCラジオとの会見で、「政府としても対応する必要がある」と語り、
他の試合のチケットを子供たちが入手できるよう、政府として動くことを示唆していた。
文化・メディア・スポーツ省は当初、チケットを新たに確保することは難しいと判断したが、
首相官邸の報道官は21日、同省の担当相がFIFAのブラッター会長と会談し、
小学生らを試合に無料招待することで会長の快諾を得たという。
報道官によると、宿泊費を含めた旅費はスポンサー企業が協力して負担し、ブリティッシュ・
エアウェイズ(BA)も英国にすでに帰国した小学生らの移動にひと肌脱ぐことに合意した。
小学生らは25日に行われるイングランドとエクアドルのベスト16の対戦や、準々決勝の試合を観戦する。
小学生らは決勝トーナメント観戦という思わぬ特典に「信じられない」と大喜び。
小学校のある教頭はBBCテレビに「すごい話だ。イングランドの準々決勝の試合が
見られるかもしれない」と感激していた。
http://www.sankei.co.jp/news/060622/kok053.htm