旧ソ連時代の党幹部、リトアニア首相が辞任
共産党の指導者でありながら旧ソ連からのバルト3国の独立を加速させ、その後も政府の中枢を
担ってきたリトアニアのブラザウスカス首相(73)が1日、辞任した。党首を務める
社会民主党などがつくる中道左派連立政権の一角にロシアの情報機関への協力疑惑が
浮かんだことから、内閣が崩壊。そのとばっちりを受けた。「大きな政治の舞台からも引退する」
としており、今後は議員にはとどまりながらも政府の役職には就かない考えと見られる。
ブラザウスカス氏はソ連時代の89年、リトアニア共和国共産党の第1書記として同党を
ソ連共産党から分離した。共産党を社会民主党に脱皮させ、独立後の93年に大統領に当選。
98年にいったん引退したが、政情不安を受けて01年には首相に就任し、同国の欧州連合
(EU)や北大西洋条約機構(NATO)への加盟を実現した。
だが、最近は連立政権第1党の労働党の本部が、ロシアの情報機関から資金援助を受けた
疑いで野党の右派政党に近いとされる司法当局の捜索を受けた。さらに同党の閣僚には
国費流用などの疑惑も続出。同党は司法当局に抗議する形で内閣から閣僚を引き揚げた。
ブラザウスカス氏は今も政権中枢に残る旧ソ連欧州部の元共産党指導者としては唯一の存在。
辞任について「国家にとって安定がどれほど大事かわからぬ政治家たちに、
混乱の責任をとってもらうしかない」と無念さを語っている。
http://www.asahi.com/international/update/0602/004.html 別記事
リトアニア:連立内閣が総辞職 汚職疑惑で閣僚辞任相次ぐ[060531]
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060601k0000m030156000c.html